《おしえて!編集長》 増える「金買取」

金の価格ってどこで、誰が決めているんですか?
「ニューヨークの先物取引所というところで決まる価格が世界中に適用される。この取引所には世界中のいろんな企業や人が参加していて、日本の商社もいればアラブの王様だっている」
「毎日の取引の中で価格が決まっていく仕組みだから、誰が決めているってわけじゃないんだな。まあ証券取引所なんかと基本は同じだね」
史上最高値だって聞きましたけど。
「海外では1トロイオンス(31グラム)当たりの価格で表示され、現在は1800~1900ドル。10年前だと300ドルぐらいだったからざっと6倍だ。金と人類のつき合いは古いけど、有史以来の高値であることは間違いない」
「日本だと1グラム当たり円建ての価格で表示されるわけだけど、現在は4500~5000円。やっぱり史上最高値圏だね」

どうしてそんなに値上がりしてるんですか?
「簡単に言えば需要に対して供給が追いつかないからさ。有史以来、人類が地下から掘り出した金は約15万トンしかない。15万トンなんて落合にある総合スポーツセンターの屋外プールのたった3杯分にすぎない」
「これに対して世界中で金の需要は増えてる。その国の通貨の信用力が下がると相対的に金の人気は高まるんだけど、今は欧州通貨のユーロもアメリカのドルも信用力はガタ落ち。てなわけで金が買われてるわけだ」
山形で「金買い取り」ののぼりが目立ちますよね。
「山形だけじゃなく日本中、世界中で買い取り業者が躍起になってるはずだよ。だって産出量は限られてるわけだから、リサイクルで不足分を補うしかないんだもん。金は磨耗せず、使い古しても溶かして固めれば元の輝きを取り戻すというリサイクルにドンピシャの商品なんだから」
「さっきも言ったけどプール3杯分の金があるわけだ。このうちの相当量が『デザインが気に入らなくなった』『元カレからもらったので使えない』とかの理由でタンスに眠っているんだ。これを回収しましょって話だね」

どんな人が持ち込んでいるんでしょうね。
「聞けば圧倒的に40~60代の女性が多いらしい。商品は指輪、ネックレス、ブレスレットなどのアクセサリーがほとんどだけど、中には金歯なんてのもあるっていうから笑っちゃうよね」
持ち込む時の注意点とかあるんですか?
「俺は金製品なんてほとんど持ってないし、持ち込んだこともないからなあ。でも業者がいっぱいいるんだから、いろんなところに査定してもらって1番有利なところを選べばいいんじゃないでしょうか」
タイミングとかは?
「知りませんよ。うかつに言ってハズれたら文句が殺到するの分かってんだから」