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《セピア色の風景帖》 第四十回 百貨店の家電

2011年10月14日
 「百貨店」という呼び方は次第に「デパート」に置き換わりつつあるが、かつてはその名にふさわしく食料品や衣料品はもとより原付バイクや自動車まで扱っていた。今は郊外の専門店に完全にお株を奪われているが、家電製品も有力商品だった。
《セピア色の風景帖》 第四十回 百貨店の家電
 そんな八十年代、百貨店の家電売り場の花形だったのがラジカセ。当時はCDやMDなどはなく音響の主役はカセットテープだった。ノーマルテープは音が悪いとか、クロームよりメタルテープの方がいいとかいう話が中高生の話題だった。
 限られたお小遣いで欲しいレコードすべては買えず、FM放送で流れる楽曲を録音するためラジカセは必需品だった。
 大人はさらに高価なカラオケセットに血道をあげていた。出始めは八トラックの大きなテープが主力だったが、次第に保管しやすいカセットテープのカラオケが普及するようになり、かなり高額なセットを自宅にそろえて悦に入っている中高年が少なくなかった。
 しかし、七日町にも電巧堂や庄司デンキなど家電専門店が進出し、百貨店が家電売り場を縮小し始めるのと軌を一つにして、ラジカセやカラオケセットも主役の座をCD・MDデッキやカラオケボックスに奪われていくのだった。 (F)