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《セピア色の風景帖》 第三十九回 ガム自販機と冷水機

2011年8月12日
 かつてはガムの自動販売機というのがあった。
 そもそもガムは駄菓子屋の店頭で買うものであったが、透明の機械に入った数種類のガムが、硬貨を入れれば人の手を介さずに買えるようになったことに山形の少年たちは目を輝かせた。
《セピア色の風景帖》 第三十九回  ガム自販機と冷水機

 だが、そんなガム自販機の寿命は比較的みじかく、機械化や省力化といった時代の流れに逆行するかのように売り場は店頭に戻っていった。
 原因として考えられるのは、ガムの集客力が見直されたことにあるのではないかと思う。
 自販機がなければ人はガムひとつ買うにも店に足を運ぶ。ついでになにがしかの物を買う場合もあるだろう。
 その売り上げは馬鹿にならない金額であるはずで、わざわざ店からガムを切り離すことは店の売り上げを減らすだけだということに気がついたのではないか。
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《セピア色の風景帖》 第三十九回  ガム自販機と冷水機
 以前はデパートの階段踊り場にあった冷水機(ウオータークーラー)も似たような変遷をたどった。
 階段を上る人が多かったころは踊り場はいわばオアシスで、のどを潤すための冷水機は必需品だった。
 しかし、これもデパート側からすると自販機等の清涼飲料の売り上げを落とすだけと判断され、邪魔者扱いされるようになって徐々に姿を消していった。 (F)