ドクター松本の医食同源(64)/熱中症の対処法
2011年7月22日
今年も昨年と同様、全国的な猛暑に見舞われ各地で熱中症が猛威(もうい)をふるっています。以前に熱中症予防についてはお話ししましたが、今回は身近にいる人が熱中症になってしまった場合の対処法についてお話しします。
まず涼しい場所へ
屋外で運動や仕事をしていて熱中症になった場合は、真っ先に風通しのいい日かげや、エアコンの効いている部屋(28度以下が望ましいです)に避難させましょう。

服を脱がせて風を送る
次に可能な限り衣服を脱がせて熱の放散をよくしたうえで、皮膚に水をかけてうちわや扇風機で風を送ります。気化熱を利用して体を冷やすわけですね。
氷嚢で血管を冷やす
氷嚢(ひょうのう)などがあれば首、脇の下、太ももの付け根など、皮膚の下に太い血管のある部分を冷やします。血液が冷やされることで体温も下がります。
意識があれば水分補給
意識があれば冷たい水を与え、失った水分を補給すると同時に体内の温度を下げます。
水よりスポーツドリンク
大量の発汗があった場合は真水よりもスポーツドリンクや食塩水(1リットルに食塩1~2グラム)が吐き気や痙攣(けいれん)などの症状改善に有効です。
無理に飲ませるのは危険
意識がなく自分で水分摂取ができない場合や、強い吐き気や嘔吐(おうと)がある場合は、無理に水分を飲ませようとすると誤嚥性(ごえんせい)肺炎を引き起こす危険があるので控えましょう。
最後は医療機関へ
そんな場合は緊急に医療機関へ搬送し、点滴をする必要があります。医療機関へ搬送する際も救急車の到着までに時間がありますので、以上お話したような対処法を施しておきましょう。

松本 光生(まつもと・みつお)
1985年山形大学医学部卒業。山形県立中央病院勤務の後、2007年5月に松本内科クリニックを開業。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医。
1985年山形大学医学部卒業。山形県立中央病院勤務の後、2007年5月に松本内科クリニックを開業。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医。