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《おしえて!編集長》 太陽光発電

2011年7月8日
 東京電力福島第1原子力発電所の事故をきっかけに太陽や風力、水力なんかを使った再生可能エネルギーに脚光が集まっています。中でも話題になっている太陽光発電について編集長に聞いてみました。
《おしえて!編集長》 太陽光発電

そもそも再生可能エネルギーって?

話題の再生可能エネルギー

 「最近のキーワードだよね。辞める辞めないでモメてる菅首相も退陣の条件に『再生可能エネルギー特別措置法案』の成立を持ち出してきたし」
 「まず再生可能エネルギーの対極にあるのが石油や石炭などの化石エネルギー。これらは何百万年以上も前に地中に埋もれた生物が燃料に変化したと考えられていて、簡単に再生なんてできない。これに対して太陽や風、水なんかは使い切るってもんじゃないだろ」
 
温暖化対策にも有効

 「それに化石エネルギーと違って二酸化炭素(CO2)をほとんど排出しないから地球温暖化対策にも有効なんだ。だから原子力の安全神話が崩壊した今、各方面から脚光が集まってるわけさ」

太陽光発電って屋根の上で電気を作るんですよね。
《おしえて!編集長》 太陽光発電

屋根の上で発電

 「まあ簡単に言えばそうだね。太陽光発電で欠かせないのが太陽電池と呼ばれる半導体部品で、太陽の光を吸収して電力に変える役割を果たす。この太陽電池を何十枚と直列につなげたものが太陽電池パネルとか太陽電池モジュールで、これを屋根に設置して電力をつくるのが太陽光発電の仕組みだ」

莫大なエネルギー量

 「そもそも地球に届く太陽エネルギーって1秒間に42兆キロカロリーにもなるんだ。といってもピンとこないだろうけど、全人類が1年間に使う電力を1時間で生み出せるんだぜ」

エー!、 エー! エー! おそるべし太陽光発電!

余剰分は販売

 「…(苦笑)。そりゃ、そんなに凄いエネルギーがそのままいかせればそれこそ凄いことになるんだけど、現状では太陽電池パネルで吸収できるエネルギー量はわずかなんだって」
 「でも屋根でつくった電力はそのまま家庭で使えるし、使う分以上にできちゃった時は電力会社が買い取ってくれるんだ。その値段は国が決めていて、2011年度は1キロワット当たり42円と定められてる」

でも晴れた日ばかりじゃないですよね。それに夜とかは?
《おしえて!編集長》 太陽光発電

不足分は購入

 「当然の疑問だよね。曇りや雨の日なんかは足りなくなるし、夜はそもそもつくれない。そんな時は電力会社から買うことになる」

季節変動も

 「あと季節によって発電量は違ってくる。日照時間が短い秋冬は少なくなり、逆に日時間が長い春夏は多くなる。ただ太陽光パネルは気温が上がると発電量が落ちる性質があるので、1年で最も発電量が多いのは春ということになる」

家計の負担だけを考えれば損得どちらなんですか? 

軽くない初期投資

 「長期的にみれば損するってことにはならないんじゃないか。問題になるのは初期投資で、メーカーや販売店によってまちまちだけど、一般的な発電能力3キロワットのタイプで価格は工事費込みで180万円ほど。普通の家庭だとこの出費はちょっと痛いかもね」

《おしえて!編集長》 太陽光発電

助成制度も
 
 「でも国としては普及を進めたいところで、パネルを設置する場合には1キロワット当たり48000円の補助金を用意してる。去年あった県の補助金は今年はなくなったけど、山形市をはじめ天童市、東根市、村山市なんかには助成制度があるんだよ」

投資、10年で回収?   

 「まあローンを組んでまで無理して太陽光にすることはないと思うけど、こうした補助金を活用しながら自然体でやっていけば10年ぐらいで初期投資は回収できるっていわれてる」

ふ~ん

全国で普及進む

 「それやこれやで全国的に太陽光にする動きが目立つよね。電力会社の買い取り価格は昨年は48円。国の補助金も昨年は7万円もあった。今年に入って条件は悪くなってるのに震災後は過去最高ペースで伸びているんだ」

よく分かりました。