徹底して山形に密着したフリーペーパー

髙島電機株式会社(山形市)

2007年8月10日
光る女性社長の感性
髙島電機株式会社(山形市)

 手元に1枚の企業データがある。
 2006年12月期の売上高が前の期に比べ47%増の66億円、最終利益は同42%増の5000万円!
 驚愕(きょうがく)の数字を目の当たりにして、取るものも取りあえず、山形市立谷川の髙島電機を訪ねた。

創業は昭和2年

 髙島電機は村山市出身の髙島又四郎氏が1927年(昭和2年)、東京・港区で始めた電線卸が前身。太平洋戦争の激化に伴い東根市に疎開、ほどなく山形市に進出して業務を再開する。49年(昭和24年)に「髙島電気工業所」として会社組織化して現在に至っている。

9割以上が卸売部門電設資材が柱

 髙島電機に社名変更したのは58年(昭和33年)。社名からは製造業のイメージを受けるが、売上高の90%以上は卸売業が占めるという。
 扱い品目の中心は電設資材全般で、創業時からの電線を核に照明器具、小さな配線器具ひとつに至るまで、あらゆる電気工事関連の商品を取り扱い、地元に広く浸透しているのが同社の特徴といえる。

髙島電機株式会社(山形市)

FA機器も取り扱い
  
 これらの分野は設備投資動向に左右され、好不調の波が激しいが、それを補うためFA(ファクトリー・オートメーション)機器をキメ細かく供給する態勢を構築していることも強みと見た。各種コントローラや駆動制御装置といった商品にとどまらず、顧客のFAシステム導入をサポートするため専門のスタッフがソリューション・プロバイダーとして活躍している。

製造部門併せ持つ

 こうした卸売部門とは別に、配電盤、分電盤、制御盤などは自社内で製造しているという。製造部門への進出は63年(昭和38年)と古く、受注から設計、塗装、組み立てまでを一貫してこなす。売上構成は全体の10%に満たないが、筆者の経験から言えば、製造部門を持つ商社、卸売業は強い。
 その理由は、正しく機能すればモノづくりを通じて顧客ニーズを敏感に汲み取り、それを卸売部門にフィードバックさせていくことが可能になるからだ。同社の場合もこの機能が十分に発揮されていることが見て取れ、会社設立から一度も赤字計上がないというのもうなづける。

前社長も女性

 地元で同社を有名にしているのが女性社長の存在。2代目社長の髙島正勝氏の急逝により、妻の髙島しづ枝氏が3代目社長に就任したのは65年(昭和40年)。保守的な地方都市で、まして時代背景を考慮すれば女性社長は極めて異例だったはずだ。
 しづ枝氏は38年にわたって君臨し、同社の地盤を磐石なものとする。そして2003年(平成15年)、4代目社長に実の娘の井上弓子氏を据える。女性社長が2代続くことになるわけだ。

髙島電機株式会社(山形市)

社内システム統合 エリア別営業も導入

 専業主婦だったという井上社長だが、就任早々に電設資材部門とFA部門のシステム統合に着手、この4月からは従来の部門別営業をエリア別営業に切り替えて組織の効率化を図るなど、経営者の資質を十分に備えているようだ。

女性社員を積極登用

 そして何といっても同性の目線から女性の登用に力を入れていることに着目したい。同社の全社員100人中、31人が女性。うち20人が子どもを抱えながら職場の一線で力を発揮している。次長1人、主任クラスは4人おり、昨年、15億円超の大口商談をとりつけてきたのは女性次長だったという。

県外進出が課題

 同社の課題をあえて挙げれば、今後どう県外にビジネスチャンスを広げていくかだろう。県境の垣根がなくなり、業者間の競争が激化する中で、県外への販路拡大は重要なテーマになってくると思われる。

■髙島電機株式会社
・社長 井上弓子氏
・所在地 山形市立谷川1−1059−6
・設立 1949年
・資本金 4000万円
・売上高 66億円
・最終利益 5000万円
・従業員 100人
・事業内容 電設資材・FA機器卸、配電盤・制御盤製造