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日新製薬(天童市)

2007年7月27日
後発品業界で存在感
日新製薬(天童市)

 賢明な山形の読者なら「ジェネリック医薬品」をご存知の人も少なくないだろう。ジェネリック医薬品(後発医薬品)は先発医薬品(新薬)の特許が切れた後、同じ有効成分を使って製造する。医療費削減の流れの中で脚光を浴びるジェネリック医薬品の分野で県内最大手、全国でも準大手に位置づけられているのが日新製薬だ。

78年、天童に本社移転

 日新製薬は1949年(昭和24年)に仙台市で創業した日新薬品から製造部門が独立して誕生した。当初は山形市を拠点にしていたが、71年に天童市の現在地に工場進出、78年に本社も現在地に移した。独立系のジェネリック医薬品メーカーとしては日本最北端に位置する。
 同社の主力商品であるジェネリック医薬品について説明しておこう。開発までに膨大な期間と費用を必要とする新薬に比べ開発費が大幅に抑制できるため、価格は新薬より割安になる。

多岐にわたる製品群

 医療機関の中には「供給や品質面で不安」といった声も聞かれるが、医療費抑制の一環として国がジェネリック医薬品の使用促進を推進していることで市場規模は確実に拡大していく見通しだ。
 こうした流れを的確に読み取り、着々と布石を打っているところに同社の強みがある。
 製品群は注射剤、散・顆(か)粒剤、錠剤、カプセル剤、点眼剤など多岐に及ぶが、「成分が同じでも製造管理と品質管理で薬効に差が出てくる場合がある」(大石俊樹社長)との認識から、製品には万全の管理を施しているのが特徴だ。

日新製薬(天童市)

世界初パルス光滅菌機導入

 プラスチック容器入り注射剤の滅菌のため、世界で初めてパルス光滅菌機を導入したのがその典型例。強力な光を照射することで微生物を滅菌する設備で、加熱に弱い医薬品や製剤に与える影響が少ないほか、短時間で滅菌できるため量産にも適しているという。
 2002年に35億円を投じて建設した最新工場棟にあるステロイド専用ラインも安全や品質管理に細心の注意を払っている。更衣室を作業室から分離し、作業室で発生した粉じんを完全に封じ込めるシステムをジェネリック業界で初導入した。
 06年には10億円をかけ錠剤、カプセル剤など固形製剤のPTP(プレス・スルー・パッケージ)包装の専用工場を新設、従来比60%までの増産が可能な態勢を整えている。

大型設備投資を継続

 同社が果敢な設備投資に転じたのは89年からで、この間に投じた費用は何と110億円!山形市から国道13号を北上し、立谷川を越え天童市に入ると間もなく道路西沿いに同社の広大な敷地が広がるが、工場群が次々と「増殖」していたのはこうした背景による。
 今月13日にも敷地内で坐剤専用ライン兼倉庫の建設に向けた地鎮祭を行ったばかり。このほかにも日新薬品の倉庫建設など新規の投資計画は目白押しだ。しかも取扱品目がさらに増加してきたため現在の敷地スペースが手狭になり、新工場建設のため新たな土地を物色中とか。知る人ぞ知る山形の元気印企業なのだ。

売上高100億円超が目標

 果敢な投資を続ける理由について大石社長は「売上高100億円超を達成するため」と明言する。確かにジェネリック医薬品には追い風が吹いているが、現状では新薬との価格差はさほどではなく、成長は年間1〜2%にとどまる。それだけにスケールメリットをいかした大手が中小を買収するケースが増えており、こうした状況下で生き残っていくには規模を拡大して存在感をアピールしていくしか道はないという。

あくまで自立を志向

 100億円超の売上高達成に向けて近々、他企業の買収もスケジュールに上っているとか。今後も淘汰(とうた)が続くと予想されるが、品質管理努力と規模拡大による自立を志向する日新製薬は文字通り「やまがたの企業」として全面的に応援していきたい。

■日新製薬株式会社
・社長 大石俊樹氏
・所在地 天童市清池東2−3−1
・創立 1957年
・資本金 5000万円
・売上高 80億円
・従業員 470人
・事業内容 後発医薬品の製造・販売