《おしえて!編集長》 どうなるの?今年のサクランボ

いよいよサクランボのシーズンですね。
全国7割の生産量
「そうだね。主力になる露地物は例年6〜7月が収穫期。今年はやや遅れ気味みたいだけど、間もなく県内のあちこちがサクランボ色に染まる。山形の風物詩だね」
「サクランボの生産量で山形県は全体の7割強を占める。県内でみると去年の出荷額は225億円で全農業産出額2022億円の11%で、品目別だと米の812億円に次いで第2位だ」
山形=サクランボ
「藤沢周平や『おくりびと』、モンテやつや姫なんかも山形のPRに貢献してるけど、県外からみればやっぱり山形といえばサクランボだし、サクランボといえば山形っていうイメージが強烈なんだな」
でも今年は大震災の影響でピンチだって聞きました。

自粛ムードと風評被害
「そうなんだ。サクランボって贈答用のいいやつになると1ケース(500グラム)数万円もする嗜好品だろ。てことは大震災による自粛ムードが続くとストレートに影響が出るわけだ」
「おまけに県内でハウス栽培されたサクランボから微量の放射性物質が検出されたりで一部で風評被害も受けてる。検出されたって言っても基準値を大幅に下回る数値で、ぜんぜん問題なさそうなんだけどね」
「本命の露地物の収穫や販売はこれからなんだけど、すでに先行きが心配される事態も生じている」
気になる予兆も
「まず現在出回っているハウス物の販売量が前年比3割近く落ちてる。それに県内には毎年50万人以上がサクランボ狩りにやってくるんだけど、旅行会社に聞くと予約は例年の半分以下っていうんだ」

エー、エー、エー。
「毎度オーバーなリアクションだけど、関係者にとっては深刻だろうな」
どうすればいいんでしょうか?
全県で販促活動
「ムードとか風評といった見えない敵が相手だから難しいけど、とりあえず全県を挙げて難局に立ち向かおうという態勢だ。県や生産者は25日に『がんばろう東北 さくらんぼ元気プロジェクト実行委員会』という組織を立ち上げ、27日にビッグウイングでこれからの取り組みをPRするキックオフイベントを開催する」

一部売上を義援金に
「その後の実行委員会の取り組みはまだ詳細が固まってないみたいなんだけど、売り上げの一部を義援金に充てたり、被災者をサクランボ狩りに招待したりする案を検討中らしい」
ほかには?
関西にも売り込み
「これまではあまり力を入れてなかった関西方面への売り込みを強化するんだって。6月6日には吉村美栄子知事が大阪に出向いて初めてサクランボのトップセールスを実施する予定だ」
皆さん、必死なんですね。
果樹園無料招待も
「まだあるよ。やまがた広域観光協議会ってところが『東北の元気はさくらんぼ狩りから!!』を合言葉に、6月11日から7月3日までの間、指定のサクランボ園の無料招待券を3000人分プレゼントするんだって。ただし利用できるのは2人以上で来園した時に限るってのがミソ」
今後の試金石に
「関係者の間では、サクランボの不振を食い止めないとその後に収穫する農産物全般にも影響が及びかねないという危機感がある。それだけに今後も様々な取り組みが出てきそうだ」