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エヌ・デー ソフトウェア(南陽市)

2007年4月27日
全国福祉施設を顧客に
エヌ・デー ソフトウェア(南陽市)

 サッカーJリーグ2部のモンテディオ山形の本拠地、天童市の県総合運動公園陸上競技場の命名権(ネーミングライツ)を取得したのが南陽市に本社を置くエヌ・デーソフトウェアだ。

「NDスタ」で一躍有名に
 
 競技場の新名称「NDソフトスタジアム山形(愛称NDスタ)」で広く知られるようになった同社は、介護福祉分野に強みを持つIT系の上場企業である。
 創業者の佐藤廣志社長(写真)が昭和51年に電子部品製造の加工を始め、その後、昭和57年に新規事業としてソフトウェアを手がけた。

エヌ・デー ソフトウェア(南陽市)

福祉ソフトに強み

 介護福祉分野のノウハウは派遣・受託開発を通じて蓄積したという。平成4年に自社製ソフトウェアの販売を開始している。
 企業規模は上場企業としてさほど大きくはないが、ゴーイングコンサーン(事業継続)への意識が強く感じられる。

リスク排除の仕組み

 様々なリスクを排除した事業の仕組みを構築している。
 例えば、ソフトだけの販売・サポートの多くは代理店に委ねている。ソフトの保守であれば地方に開発拠点があっても通信回線を利用した遠隔操作で対応出来る。

サポートセンターも充実
 

 また、サポートセンターによる直接のユーザーサービス実施部門を設けることで生の顧客の声を商品改良に反映させることが可能になっている。
 小規模介護拠点向けに介護報酬の電子請求サービスを行うASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)事業も提供しており、介護事業を通じて現場のオペレーションを把握している。

地方のハンデ克服

 「何をして何をしないのか」「いかに事業ノウハウを継続的に確保するか」──この2点を明確にしている企業といえる。地方に拠点を置きながら、都会のIT企業に勝つ優れた経営スタイルを確立している。
 同社の強みは、決してハイテクではない。介護福祉という現場の泥臭さを的確に把握しているところにある。

安価な標準品を提供

 保険点数計算の変更への対応を着実に行い、安価な標準品を情報技術の専門家が不足する事業所に導入している。
 導入費を抑えた同社商品は、厳しい経営環境にある介護サービス業者のニーズに合致しており、市場でいいポジションにつけていると言える。
 今後もシェアを拡大して収益基盤を確保していく可能性が高い。

エヌ・デー ソフトウェア(南陽市)

福祉から医療へ
 
 同社の現在の方針は、「福祉から医療までのトータルヘルスケア市場に展開」である。中小病院をターゲットとした電子カルテシステムの構築、健診、臨床検査についてのシステム提供を既にはじめている。
 ただ、医療分野は医師の権限が強く、既に既存のITベンダーが深く入り込んでいる特殊性があり、介護市場とは異なる参入障壁がある。販路を確保するために他社と組む手法もあるが、その際には交渉力の源泉となるような強みが求められる。

M&Aも選択肢

 じっくりと事業基盤を固めるか、資本参加やM&Aにより時間を買うかである。自社に向いた医療分野の中のニッチ市場を見つけることが、現在の優先課題と言えよう。
 ヘルスケアの市場は大きく、医療機関を向くのか、医療費を削減したい健保組合を向くのか、健康増進施設を狙うのかでも事業形態や商品は異なってくる。
 いったん適切な市場選択が行われたなら、市場におけるポジションをつかむ成功体験を持つ企業であり、さらなる発展が期待される。

■エヌ・デーソフトウェア株式会社
・社長   佐藤廣志 氏
・所在地  南陽市漆山1306‐7
・設立   1979年(昭和54年)
・資本金  6億6050万円(2007年3月31日現在)
・売上高  36億1100万円(連結:2006年3月期)
・従業員  271人(連結:2006年9月30日現在)
・事業内容 介護・福祉・医療関連ソフトの企画・開発・販売・
      運用サポート、介護サービス提供事業、
      ASP事業(インターネットによる介護報酬請求サービス)