<荒井幸博のシネマつれづれ> GW映画商戦
2011年5月13日
安近短で息吹き返す
今年のゴールデン・ウィーク(以下GW)は終わってしまったが、そもそもGWとは映画業界から生まれた言葉だった。
GWの語源は映画界
1950年、当時の人気作家の獅子文六が新聞小説「自由学校」を連載するや否や映画会社各社で映画化権の争奪戦が始まり、松竹と大映がそれぞれ製作することに落ち着く。
両社の作品とも封切りは51年5月5日。いずれも豪華キャストを配したこともあって大ヒットを記録、それまでの書き入れ時だったお盆や正月を上回ったことで映画関係者の間でGWと命名されたのだった。
あれから幾星霜——。映画の斜陽化や車社会の到来でGWは観光・行楽シーズンの代名詞になり、映画館は閑古鳥が鳴くようになった。
GWの語源は映画界
1950年、当時の人気作家の獅子文六が新聞小説「自由学校」を連載するや否や映画会社各社で映画化権の争奪戦が始まり、松竹と大映がそれぞれ製作することに落ち着く。
両社の作品とも封切りは51年5月5日。いずれも豪華キャストを配したこともあって大ヒットを記録、それまでの書き入れ時だったお盆や正月を上回ったことで映画関係者の間でGWと命名されたのだった。
あれから幾星霜——。映画の斜陽化や車社会の到来でGWは観光・行楽シーズンの代名詞になり、映画館は閑古鳥が鳴くようになった。

アニメ、話題作が健闘
それが今年は大震災の影響で身近なレジャー施設で手軽にすませる「安近短」の傾向が強まり、映画は息を吹き返したようだ。
事前の予想では昨年の「のだめカンタービレ」のような強力な作品がなく一抹の不安要素はあったが、遠出を控えたファミリー層をつかんで「クレヨンしんちゃん」「名探偵コナン」「豆富小僧」「ドラえもん」「塔の上のラプンツェル」などのアニメ作品が健闘した。
さらに「英国王のスピーチ」「八日目の蝉」「ブラック・スワン」「ガリバー旅行記」「GANTZ」「岳」などなど、バラエティに富んだ作品がこの時期に公開されたのも大きかった。
県内撮影作品も続々
20日からはいよいよ今年の本命「パイレーツ・オブ・カリビアン生命の泉」が公開される。また6月18日には「小川の辺」、25日には「デンデラ」と県内で撮影された作品が畳み掛けるように公開される。
県内の映画館にも活気が戻りそう。そこからの元気が波紋のように広がって欲しいと思う。

荒井幸博(あらい・ゆきひろ)
1957年、山形市生まれ。シネマ・パーソナリティーとして数多くの地元メディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。
1957年、山形市生まれ。シネマ・パーソナリティーとして数多くの地元メディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。