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東北電化工業(山形市)

2007年3月23日
電気工事で東北2位
東北電化工業(山形市)

 電気はガス、水道と並ぶ重要なライフライン。今や私たちの生活は電気なしには成り立たず、家庭で、工場で、電気を引くための綿密な内線工事は必須のプロセスになっている。この電気工事の分野において東北でユアテック(仙台市)に次ぐ企業が東北電化工業だ。

戦後まもなくの創業

 同社の創業は戦後すぐの1945年(昭和20年)。当時は戦災で産業活動は停滞し、需要が少ない電気は料金も安かった。そこに目をつけた會津栄次郎氏が高圧で公衆浴場の湯を沸かすことを目的に興した「東北電化工業所」が同社の前身だ。
 当時、人々の暮らしはランプ生活を強いられ、特に山形県では農村部を中心に無灯火集落が多かったと聞く。戦後復興の第一歩として電気の供給はどうしても必要で、こうしたニーズに応える形で事業を拡大していった。

無灯火集落の解消に貢献

 創業の翌年に有限会社となり、その翌年の1947年には株式会社「東北電化工業」、つまり現在の組織に脱皮していることから、事業拡大のスピードが急だったことが読み取れる。当時の同社の軌跡は、山形県内の無灯火集落が解消していったことと一致するという。

「独立系」で健闘

 そして現在──。営業エリアは山形県内を中心に仙台市、郡山市など南東北3県に及ぶ。東北6県ではユアテックに次ぐ売上高を持つが、ユアテックが東北電力の実質子会社であることを考慮に入れると、電力会社や電機会社のバックなしに健闘している同社の強みがクローズアップされてくる。

電気工事士を社員化

 同社の強みを端的に言うと、実際に電気工事に当たる第1種・第2種電気工事士を社員として多数抱えている点だ。大手を含めた同業他社では監督する人(電気工事施工管理技士)がいるだけで、実際に工事に当たるのは下請け、孫受けというケースがほとんど。
 つまり設計から監督、施工までを一貫して行えるわけで、このことが明確な責任体制、サービスの質向上につながっているのだ。電気のトラブルで同社に相談すれば瞬時に解決してくれる──こんな安心感をユーザーに与えていることが同社の基盤を強固なものにしているようだ。
 昨年2月に4代目の社長に就任した會津圭一郎氏(写真)は栄次郎氏の孫にあたる。まだ42歳の若さだが、自己評価システムを柱とする新人事制度を導入するなど経営者としての確かな資質を備えている印象だ。

東北電化工業(山形市)

リテール拡大が課題

 そんな同社の課題は個人や中小企業の開拓。社名から受ける重厚長大型のイメージや、これまでのユーザー層が大手企業中心なこともあり、一般に抱かれがちな「こんなことを頼んでもいいの?」という先入観を払拭していく必要があると思われる。 19年度方針に掲げた「お客様満足」を実践するためにも、リテール戦略の定着が必須。新人事制度を核にサービス体制をどれだけ整備できるかが今後のカギを握るだろう。

■東北電化工業株式会社
・社長   會津圭一郎 氏
・所在地  山形市青田3丁目9‐18
・設立   1947年
・資本金  7500万円
・売上高  64億円
・従業員  303人
・事業内容 一般電気工事業