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陸上自衛隊第六師団長 久納雄二さん

2011年4月8日
久納雄二(くのう・ゆうじ) 1954年(昭和29年)東京都生まれ。78年防大卒、陸上自衛隊へ。陸幕監理部長、西部方面総監部幕僚長などを経て2010年7月から現職。陸将。56歳。陸自第6師団は南東北3県の防衛警備と災害派遣を任務とし、3県5駐屯地のうち司令部を東根市の神町駐屯地に置いている。隊員数約5800人、神町には2600人が駐屯している。
陸上自衛隊第六師団長 久納雄二さん

粘り強く!  東北
  自衛隊の士気は高いです。——

4月5日 東北方面隊・仙台駐屯地で

——震災発生から現在までの第6師団の災害活動状況を教えて下さい。
 
人命救助を最優先

 「発生当日は部隊を福島県南部から宮城県北部にかけ展開、人命救助を最優先しました。被災者の生存は72時間が限界。倒壊した家屋や瓦礫の中に生存者がいないかを見つけ出す作業でした」
 「翌日からは私を含め神町駐屯地の大半の隊員がここに移り、24時間態勢で人命救助のほか行方不明者の捜索、被災者の生活支援などに当たっています。全国から応援部隊も駆けつけてくれ、現在の第6師団の担当は仙台市や石巻市、東松島市、多賀城市など宮城県に集中しています」
 
想定上回る規模

 「もともと宮城県沖を震源とする大地震が起きる確率は極めて高く、第9師団(北東北3県を管轄)と併せた東北方面隊として何度も対処訓練を重ねてきましたが、今回の震災は想定をはるかに上回る規模でした」 
——実際に被災地を回られて、どんな?
 「単なる地震の被害にとどまらず、津波で家や樹木が丸ごと流され跡形もない。建物の下の部分だけが流され上の部分だけが不気味な姿をさらしている。地域が根こそぎ崩壊した感があります」
——行方不明者の捜索はまだまだですか?
 「今月末までにはひとつのメドをつけたいとは考えていますが、完全に終わるのはいつになるか…。約3カ月で捜索が終わった阪神大震災のようにはいかないでしょう」

隊員にストレスも

 「瓦礫を機械で取り除いたうえで遺体を探すという作業ですが、瓦礫が大量に積み上がって機械すら入れないところがあちこちに。また遺体の損傷や腐敗が激しく、作業する隊員の精神的なストレスを考慮する必要があります」
 「彼らのメンタルヘルスをどう維持するかも大きな課題です。心がけているのは彼らに毎日の気持ちを吐き出させ、1人で心に溜め込まないようにすることですね」
——師団長として被災者だけでなく隊員の方々のケアにも心をくだかれるわけですね。 
 
励まされる感謝の言葉
 
 「ただ、彼らの士気は極めて高い。理由ですか?地域の復興にかける想いと、遺体を1日でも早く遺族のもとに戻してあげたいという想いからです。そして被災者から感謝の言葉をいただく時、我々は逆に勇気づけられています」