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あなたの目 健康ですか?/(37)災害時の視覚障害への配慮

2011年4月8日
 東日本大震災で被害に遭われた方々には心よりお見舞い申しあげます。
状況説明と誘導を
 
 今回のような大きな災害が起こった時、特にハンディを背負うのがお年寄りや乳幼児、それに障害を抱えていらっしゃる人たちです。今号では専門医の立場から、視覚障害者を周囲がどうフォローしてあげればいいかを考えてみましょう。
 当然のことですが、視覚障害者は災害などで周囲の状況が大きく変化しても、それを迅速かつ正確に把握することが困難です。実際、皆さんも目を閉じてみると得られる情報が少なくなることが今さらのように分かると思います。
あなたの目 健康ですか?/(37)災害時の視覚障害への配慮

方向は時計の針の位置で

 ですから、周囲の人が現在の周囲の状況やどこに逃げれば安全かを伝え、避難所に誘導してあげることが必要になります。誘導の仕方ですが、視覚障害者を押したりひっぱったりするのはタブーで、肩や腕を貸す形で半歩前を歩いて下さい。誘導している最中も周りの状況を言葉で伝えてあげましょう。
 方向を示す場合は時計の針の位置で伝えると分かりやすいとされます。右であれば3時、左であれば9時、正面であれば12時と伝えて下さい。

避難後のフォローも

 住みなれた場所では視覚障害者は自分のメンタルマップ、つまり安全で効率的な歩行のための地理的空間的概念を持っています。災害時には自分のメンタルマップが役にたたなくなるため、避難の際はもちろん、その後の生活でも周囲のフォローが必要です。
 
眼鏡も常備品に

 最後に、今回の震災ではコンタクトレンズをお使いの方が管理に苦労されたと聞いています。こんな場合に備えてコンタクトユーザーも日ごろから眼鏡を準備しておくことが必要ですね。

 

あなたの目 健康ですか?/(37)災害時の視覚障害への配慮

高橋 義徳(たかはし・よしのり)

1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。山形県アイバンク理事。