徹底して山形に密着したフリーペーパー

村田先生の消化器系のお話/胃アニサキス症

2011年3月25日
 今回の東日本大地震で被災された方々には衷心からお見舞い申し上げます。
 災害時に用心したいのが食べ物。今回は生魚に寄生するアニサキスを食べてしまった場合に生じる症例のお話です。

日本で多い症例

 アニサキスは体長20〜35ミリ、体幅0・4〜0・6ミリの白色で糸状の寄生虫。胃アニサキス症が初めて報告されたのは1960年でした。魚を生で食べる習慣がある日本では他国に比べ発症数が多く、年間2000〜3000にも。胃カメラが開発される前は診断が容易ではなく、緊急手術を行って初めて胃アニサキス症と判明したケースもあったようです。

村田先生の消化器系のお話/胃アニサキス症

症状は腹痛と吐き気

 胃アニサキス症はアニサキスに感染している魚介類(サバ・イワシ・アジ・サケ・スケソウダラ・スルメイカなど)を生で食べ、そこにアニサキスがいた場合、アニサキスが胃の粘膜に頭を突っ込む事によって症状が出ます。
 症状は急激に発症する上腹部の激しい痛みと吐き気。ほとんど生魚を食べて2〜8時間後に発症し、典型的な例では夕食に寿司などで生魚を食べ、深夜になって急に激しい上腹部痛と吐き気が出現し、救急病院を受診するといった具合です。
 
診断・治療に胃カメラ

 診断には胃カメラを使い、胃の粘膜にアニサキスがいるかを調べます。いた場合は胃カメラで鉗子を用い、アニサキスをつまんで胃粘膜から取り除けば治療は終了です。多くの場合はアニサキスを除去すれば速やかに症状はなくなります。
 
生食にはご用心を

 アニサキスはマイナス20度の環境には24時間いられないので冷凍の魚では胃アニサキス症にはなりません。また60度に加熱すれば死んでしまうので、生魚さえ食べなければ大丈夫なのですが…。


村田先生の消化器系のお話/胃アニサキス症
村田 光太郎(むらた・こうたろう)

1963年上山市生まれ。山形東高から山形大医学部へ。卒業後、山大病院、東北中央病院、県立中央病院、寒河江市立病院などを経て2009年4月に山形市十日町で村田内科医院を開院。