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村田先生の消化器系のお話/虚血性大腸炎

2011年2月25日
 ある臓器に血液が十分供給されないため障害が生じる状態を虚血性疾患と呼びます。脳の虚血性疾患が脳梗塞、心臓の虚血性疾患が心筋梗塞ですが、大腸の場合は大腸梗塞ではなく虚血性大腸炎と呼んでいます。
症状は左下腹部の痛み
 
 虚血性大腸炎は急に起こる疾患で、60歳以上で発生しやすくなります。男女比率はほぼ1対1。下腹部、特に左下腹部の痛みと下血が主な症状になります。原因は腸管に問題があるケースと血管に問題があるケースがあります。
村田先生の消化器系のお話/虚血性大腸炎

腸管か血管に問題が

 前者は便秘がちになったり大腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が激しくなった時です。便秘になると大腸内腔の圧力が上昇、蠕動運動が激しくなると大腸の酸素需要が増大、ともに大腸が虚血状態になりやすくなります。
 後者は高血圧、糖尿病、高脂血症などいわゆる生活習慣病に起因します。動脈硬化が進行すると必要な血液が十分に供給されず、虚血状態になりやすくなります。高齢で生活習慣病がある人が朝から左下腹部痛を感じ、その後に血便が出るというのが典型的なパターンです。
 
確実な診断は内視鏡

 専門医なら症状だけで診断できますが、診断を確実なものにするには大腸内視鏡を使います。出血を伴う浮腫(ふしゅ)や潰瘍(かいよう)が認められれば入院し、大腸の安静を目的に食事を止めて点滴療法という流れになります。

手術が必要なケースも
 
 大半の場合は虚血は一過性で症状は次第に改善していきますが、虚血になっている部分が壊死(えし)している場合は手術が必要になります。また虚血が改善して元の状態に戻っても虚血の影響で大腸の内腔(ないくう)が狭くなっていることがあり、便がこの狭い部分を通過できなければ手術が必要です。  


村田先生の消化器系のお話/虚血性大腸炎
村田 光太郎(むらた・こうたろう)
1963年上山市生まれ。山形東高から山形大医学部へ。卒業後、山大病院、東北中央病院、県立中央病院、寒河江市立病院などを経て2009年4月に山形市十日町で村田内科医院を開院。