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村田先生の消化器系のお話/炎症性腸疾患(下)~クローン病~

2010年12月24日
 炎症性腸疾患には潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん))とクローン病があり、前回は前者についてお話ししましたが、今回は後者です。

大半が小大腸で発症

 クローン病とは口から肛門までの消化管全体に起こりうる慢性の炎症ですが、大半は小腸中心の「小腸型」、大腸中心の「大腸型」、小腸と大腸の両方の「小腸大腸型」です。症状は腹痛、下痢、発熱、体重減少などで、発症初期は発熱だけという場合もあります。
 発症の正確な原因は分かっていませんが、遺伝的な要素と食生活などの環境的な要素が組み合わさって発症するのではないかと考えられています。

村田先生の消化器系のお話/炎症性腸疾患(下)~クローン病~

10〜30歳代に多く

 発症するのは10〜30歳が多く、中年以降は稀(まれ)です。日本の患者数は約2万人強で、潰瘍性大腸炎の約10万人を下回っています。欧米先進国では日本より発症率はかなり高いようです。
 男女比は2・5対1と男性での発症が多くなっています。発症のリスクは喫煙で1・8倍、経口避妊薬(ピル)の内服で1・9倍に高まるとされています。
 
症状落ち着かせる治療

 診断には主として内視鏡検査が用いられ、腸管粘膜に深い潰瘍が観察されます。完治させることは難しいので、まずは症状を落ち着かせ、その状態を維持することが治療の中心になります。
 重症の時には入院して食事を止めて腸管の安静を保ち、点滴で十分な栄養補給を行って薬を内服します。症状が落ち着けば外来通院として低脂肪・低残渣食(ていざんさしょく)を中心の食事療法と内服治療を行います。

手術のケースも

 手術によらない内科的治療がメインですが、穴が開いてしまったり(穿孔・せんこう)、病変により腸管が狭まってしまったり(狭窄・きょうさく)した場合には手術も必要になります。


村田先生の消化器系のお話/炎症性腸疾患(下)~クローン病~
村田 光太郎(むらた・こうたろう)
1963年上山市生まれ。山形東高から山形大医学部へ。卒業後、山大病院、東北中央病院、県立中央病院、寒河江市立病院などを経て2009年4月に山形市十日町で村田内科医院を開院。