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ようこ先生のごきげんライフのすすめ/「かくれ貧血」(1)

2010年11月26日
 読者の皆様は「かくれ貧血」をご存知ですか?

慢性的な頭痛や肩こり

 疲れ切った表情のMさん(女性、52)は30歳ごろから毎日のように頭痛や肩こりに悩まされ、週に4回は市販の鎮痛薬を服用していました。脳ドックや健康診断では何も異常がなく、自分では頭痛持ちとなかば諦めていたそうです。

ようこ先生のごきげんライフのすすめ/「かくれ貧血」(1)
鉄分不足が原因

 血液を検査したところ貧血はないのですが、赤血球に鉄不足の変化が表れており、鉄の貯金であるフェリチンがかなり低い状態でした。通常は貧血がないとフェリチンまで測定することはありませんが、潜在性鉄欠乏いわゆる「かくれ貧血」は色々な不快症状の原因になるのです。
 
精神的症状も

 鉄は赤血球の材料となるだけでなく各種の酵素の活性にも深くかかわっています。鉄が不足すると各種の酵素の働きが低下し、不調の原因になります。そして一見何の関連もなさそうな様々な症状を引き起こすのです。
 Mさんのように頭痛や肩こりのほか、立ちくらみ、耳鳴り、のどのつまりや冷え症、肌荒れといった身体症状、さらにはイライラや注意力低下、抑うつ症状などの精神的な症状も鉄の不足から生じることがあります。
 
ヘム鉄服用で改善

 Mさんに結果を説明し医療用のヘム鉄を服用してもらいました。すると2カ月後には頭痛の回数が減り、あれほど頼っていた鎮痛薬も1回も飲まずにすんだそうです。
 
積極的な対応が必要

 通常は軽い貧血はあまり問題視されず、まして貧血もなく貯蔵鉄が減少しているだけの「かくれ貧血」は治療の対象になりにくいのが現状ですが、様々な症状の原因になっていることを考えると積極的な対応が必要と思われます。


ようこ先生のごきげんライフのすすめ/「かくれ貧血」(1)

深瀬 洋子(ふかせ・ようこ)

1984年山形大学医学部卒業、山形大学大学院医学研究科修了。医学博士。山形大学第二内科、山形県結核成人病予防協会、東北中央病院勤務を経て2009年9月「十日町ようこクリニック」開業。内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医など。