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村田先生の消化器系のお話/炎症性腸疾患(上)~潰瘍性大腸炎~

2010年11月26日
 炎症性腸疾患(えんしょうせいちょうしっかん)とは主に大腸に慢性的な炎症が生じ、症状が改善したり(緩解・かんかい)重くなったり(再燃)を繰り返す病気です。炎症性腸疾患は潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)とクローン病に大別されます。

増加する潰瘍性腸疾患

 潰瘍性大腸炎の原因はは大腸粘膜での異常な免疫反応が原因と考えられています。国内の患者数は約10万人で、ここ数年は急激に増加しています。男女比はほぼ1対1で、発症は20歳代にピークがありますが、高齢になってからの発症も見受けられます。大腸がんの合併頻度が高いのも特徴です。

村田先生の消化器系のお話/炎症性腸疾患(上)~潰瘍性大腸炎~

症状は血便、下痢など

 症状は血便、粘血便、下痢が多く、重症になると体重の減少や腹痛、発熱もみられるようになります。診断には大腸内視鏡が最も有効で、直腸から連続的で広範囲な炎症性の異常が認められます。その異常の領域は粘膜の比較的浅いところまでで、深部まで及ぶことは稀です。ほとんどの場合の炎症の範囲は大腸にとどまっていますが、領域が広がるほど重症ということになります。

治療は緩解の持続

 治療は完全に治癒(ちゆ)させることは難しいので、症状を改善させて緩解の状態にし、その緩解の状態を続けることが目標になります。重症の場合、大出血をきたした場合、穿孔(せんこう・穴があくこと)した場合などは手術が必要になりますが、基本的には内科的に治療します。
 薬剤の内服、点滴での投与などを行い、難治性の場合は白血球除去療法(透析で炎症を引き起こすリンパ球などを血液中から除去する方法)を行う事もあります。

軟治性治療の薬剤も  

 最近は免疫調整剤や生物学的製剤と呼ばれる薬剤が開発され、難治性の場合も緩解の状態にできる可能性が高くなってきました。次回はクローン病についてお話します。


村田先生の消化器系のお話/炎症性腸疾患(上)~潰瘍性大腸炎~
村田 光太郎(むらた・こうたろう)
1963年上山市生まれ。山形東高から山形大医学部へ。卒業後、山大病院、東北中央病院、県立中央病院、寒河江市立病院などを経て2009年4月に山形市十日町で村田内科医院を開院。