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村田先生の消化器系のお話/腸閉塞

2010年8月27日
 今回は腸閉塞(ちょうへいそく)についてご説明しましょう。

腸で便がつまる状態

 口から摂取した飲食物は胃、小腸、大腸で消化・吸収され、便となって肛門から排出されますが、腸閉塞は摂取した飲食物が小腸や大腸から肛門に移動しにくくなっている状態です。急性の病気で、腹部膨満(ぼうまん)感、腹痛、嘔吐(おうと)、排便や排ガスがなくなるといった症状が出ます。

村田先生の消化器系のお話/腸閉塞

9割が機械的腸閉塞

 腸閉塞の9割が腸管癒着症(ちょうかんゆちゃくしょう)、大腸がん、鼠径(そへい)ヘルニアなどを原因とする「機械的腸閉塞」です。
 最も多い腸管癒着症とは開腹手術や婦人科疾患、腹部外傷などによって腸と腸、または腸と腹膜が部分的に癒着した状態で、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が低下し、腸に飲食物が滞留し易くなります。
 癒着している部位に痛みが出たり、腹部の不快感や便通異常を生じたりします。
 
単純性と複雑性

 機械的腸閉塞は腸の血流傷害を伴わない単純性と、血流障害を伴う複雑性に大別され、前者の治療はほとんどが手術せずに完治しますが、入院は必要です。
 後者は放置しておくと腸が壊死(えし)してしまうため、開腹手術が必要になります。
 
1割は機能的腸閉塞 

 腸閉塞の残る1割が「機能的腸閉塞」で、腹腔内に炎症がある場合や腹部の手術後などに腸の蠕動運動が低下した場合に生じます。治療としては原因となっている疾患の治療を優先します。
 
診断はレントゲンで

 いずれの場合も診断には腹部レントゲン撮影が有効で、特徴的な所見を呈する事が多いのですが、なかなか診断が難しいケースもあります。


村田先生の消化器系のお話/腸閉塞
村田 光太郎(むらた・こうたろう)
1963年上山市生まれ。山形東高から山形大医学部へ。卒業後、山大病院、東北中央病院、県立中央病院、寒河江市立病院などを経て2009年4月に山形市十日町で村田内科医院を開院。