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あなたの目 健康ですか?/(29)色覚について

2010年7月23日
 目の検査というと視力を連想しがちですが、生活において「色覚」も重要な視機能です。

色を認識する機能

 色覚とは色を認識する目の機能で、この機能が変化している「色覚異常」のことを「色盲」「色弱」と呼んだ時代もありました。学校での色覚検査を覚えている方も多いでしょうが、平成15年から色覚検査は任意になりました。この結果、現在の高校2年生以下の大半は色覚検査を受けてないのです。

あなたの目 健康ですか?/(29)色覚について

男性の5%が異常

 では色覚異常は少なくなったのでしょうか? 答えはNOです。男性の5%、つまり20人に1人は色覚異常なのです。
 色覚異常の多くは色が分からないのではなく、赤と緑など区別しにくい色の組み合わせがあり、色誤認をしてしまうケースです。先生が重要ポイントを赤チョークで板書しても、逆に見にくい場合があったりします。

むやみな心配は不要

 ただ、むやみに心配する必要はありません。色の感覚も身長と同じように個性の一つです。背が高いのでバスケットの選手を目指す子どももいれば、背が低くてもスピードなど他の個性を磨いてバスケの選手を目指す子もいると思います。
 そう考えるにつけても自分の個性を知らなくては対処できません。色覚について疑問・不安のある方は眼科専門医に相談して下さい。


あなたの目 健康ですか?/(29)色覚について

高橋 義徳(たかはし・よしのり)
1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。山形県アイバンク理事。