《おしえて!編集長》 やまがたの水事情あれこれ

山形って水道水も美味しいと私は思いますけど。
美味しい山形の水
「確かに美味しいよね。県外から来た人もほとんどそう言ってる。山形って周囲を見回せば山また山で、原生林が多い。ここに雨や雪解け水が浸み込んで、腐葉土やいくつもの地層を潜り抜けて澄んだ水に濾過されるから美味しくなるらしい」
「特に飯豊山や朝日岳、蔵王山にはミネラルが豊富な花崗岩の地層があって、口当たりがよくてまろやかな水ができるんだってさ」
それを聞いてあらためて納得しました。

料金、全国1の高さ!
「ただ高いわな。これも県外者はみんなそう言ってる。日本水道協会ってところの調べだと山形県の一般家庭の水道料金は全国47都道府県の中で1番高くて、1番安い神奈川県の約2・5倍なんだぜ」
ヘー、ヘー、へー。
高さの理由は?
「その理由は幾つかあるけど、簡単に言えば面積が広大なのに人口が少なく、水道水を大量に使う大工場も少ないってことに尽きる。だから1世帯当たりの負担額が大きくなるわけだ」
「実際、春の異動で山形に来た県外者が6月に届いた4〜5月分の請求書を見て、ビックリして当該市町村に電話するケースが多いんだって」
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県外に出たことがない私、知りませんでした。 ミネラルウォーターが売れてるって、そのあたりとも関係してるんですか? |

マズい都市部の水
「それはあんまり関係ないと思うな。都市部だとホントに水道水ってカルキ臭くって、健康に良くないんじゃないかっていうイメージがあって、その対極にあるって感じでミネラルウォーターが脚光を浴びたわけだ。単純にこの流れが山形に押し寄せてるんだろう」
ミネラルウォーター成長にかげり
「でも、さっきも言ったけど山形の水道水は都市部と違って美味しいし、全国的には2004年から08年まで2ケタ成長が続いたミネラルウォーターも09年はマイナスに転じてる」
「知ってた?『六甲のおいしい水』で業界を牽引してたハウス食品が4月にミネラルウォーター事業からの撤退を発表してたって」
し、知りませんでした。
伸びる宅配水
「それやこれやで山形でも今後どうなるかね。ただ店頭での売れ行きはともかく、ミネラルウォーターを宅配するビジネスは急速に普及していて、全国的にもまだまだ発展途上だ」
「あらためて仕組みを説明しておくと、宅配するのは一般の浄水器では除去できない有害物質をほぼ100%除去し、カルシウムやマグネシウムなどを加えたミネラルウォーター。12リットルの特殊ペットボトルに入っていて、レンタルで設置した専用サーバーを使えば常時、冷水と温水が飲める」
簡便、環境にも優しい?
「値段はサーバーレンタル料や電気代を入れても1リットル約100円。スーパーとかでペットボトルを買う場合と違って重たい水の持ち運びの必要がないし、使用済みペットボトルの処理も不要ということで環境にも優しい、かな」
やまコミのオフィスでも利用してますもんね。
山形では3強が激突
「矢野経済研究所の調査だと、09年の宅配水の売れ行きは08年に比べ14・3%増の560億円に達していて、5年前に比べると5倍の規模に膨らんでる」
「山形だと『アクアクララ』『ハワイウォーター』『クリスタルクララ』の3強がシェアを競ってる構図だね。山形でも『水は買う時代』になっていくんだろうね」