徹底して山形に密着したフリーペーパー

医療法人社団/社会福祉法人 悠愛会 理事長 大島 扶美 氏

2007年2月9日
大島 扶美(おおしま・ふみ) 1943年群馬県高崎市生まれ。新潟大学医学部卒業後、山形大学医学部、障害者施設「ゆきわり整肢学園」(現在の県立総合療育訓練センター)勤務などを経て82年に山形市で大島医院を開業。89年に医療法人社団悠愛会、97年に社会福祉法人悠愛会を設立して理事長に就任。医院併設型の介護老人保健施設「さくらパレス」(山形市)、「メルヘン」(山辺町)、「あこがれ」(天童市)などをグループ展開。NPO法人山形県トレーナー協会会長、NPO法人ライフサポート協会会長など多数の公職も務める。
医療法人社団/社会福祉法人 悠愛会 理事長 大島 扶美 氏

医療・介護の制度改革 現場に理解を──

――悠愛会は山形県内で介護施設を幅広く運営していますね。

グループで医療・保健・福祉の提供

 「長年、山形市で神経内科医として高齢者の治療に携わる中で、患者や家族が抱えるいろんな問題を目のあたりにし、本格的な高齢者介護が必要だという思いが強くなっていきました」
 「そんな折、厚生労働省のゴールドプランにも後押しされて平成7年に老人保健施設を開設しました。以後、特別養護老人ホーム、グループホーム、訪問看護・訪問介護事業所などを通じ、地域の人たちにより良い医療・介護を提供できるよう取り組んでいます」
――女手ひとつで?
 「妻、4人の子どもの母親、医者、そして経営者の1人4役。経営者としては、女性の視点から『ゲストは恋人』を悠愛会の基本理念に掲げてきました。ようやく末の子どもが大学の医学部を卒業するので子育ては一段落ですが(笑)」
――でも「施設」から「在宅」へと介護保険制度の方針が変わり、経営者、また悠愛会にとっては逆風ではないですか?

施設も在宅も重要

 「ここ5年間の医療・介護制度改革により、高齢者を中心とした患者負担の増加と国からの医療・介護機関に対する報酬カットが続きました。現場ではみんなが疲弊するほど頑張っているのに、報酬カットにより施設の収入は減少の一途をたどっています」
 「介護保険料が増加していくことは、厚労省も予測していたこと。ですが、介護報酬はカットされる。国の計画ミスの尻拭いを介護の現場で行うというのはおかしい」
 「ただ介護保険は施設・在宅の双方に厳しくなっています。在宅サービスの報酬も非常に厳しい状態なのです。今までが施設偏重だっただけで、決して制度の方針が変わったわけでもないのです」
――小規模多機能サービスはどうですか?
 「利用者がどれだけのサービスが得られるか、施設を継続していけるだけの利潤が得られるか──この両面から現状では良いサービスを提供できる制度ではないと考えています」

制度改革の狭間で

 「保険料抑制のため大規模は悪い、小規模ならいいという国の方針は明らかに間違っている。本当に小規模が保険料を安くできるのでしょうか。大規模なら職員の教育も十分でき、利用者も大勢の中から気のあった仲間を探すことができます。こういった実情を踏まえた上での医療・介護の制度改革が望まれます」