《おしえて!編集長》 山形県の特産物

やっぱり山形といえばサクランボ、サクランボといえば山形ですよね。
全国に冠たる「佐藤錦」
「そうだね。代表品種の『佐藤錦』の本格的な収穫シーズンは6月中旬以降だけど、例年、今ぐらいの時期になると収穫量の予想に一喜一憂したり、産地ごとに盗難防止に向けた会議が開かれたりで、何か山形全体がソワソワするよね」
「しかも『佐藤錦』だと6月末には終わっちゃうわけだろ。今や全国いたるところに特産品はあるけど、これだけ季節感があって、だからこそ珍重されて、それでもって贈って喜ばれる特産品って他にないんじゃないのかなあ。高いけどね」
私は知り合いからもらったりで買ったことないんですけど、そんなに高いんでしたっけ。

1ケース10万超!
「今年1月に東京の中央卸売市場の初セリでついた最高値は1ケース(500グラム)でなんと10万5000円! これは初セリ用の特別栽培物で『追い風参考記録』みたいなもんだけど、1グラムに換算すると210円になる」
「東京の中央卸売市場の初セリっていうと青森県大間産のマグロが毎年話題になって、今年1月の最高値は1本(232・6キロ)1628万円だった。これは過去10年で2番目の高値だっていうんで騒がれたけど、1グラム換算だと70円だろ。サクランボの方がぜんぜん上ということになる」
エッヘン。
夕張メロンに次ぐ?
「ただ上には上があって、今年5月に札幌で行われた夕張メロンの初セリでは2玉150万円の最高値がついた。夕張メロンって1玉1・5キロぐらいだから1グラム換算で500円か。でも万一そんなメロンもらったって恐ろしくて食べられないよ(苦笑)」
サクランボの特集なんですけど。
4年ぶりの豊作か
「ゴメン、ゴメン。5月20日に県や生産者団体が集まって見通してみたところ、今年は4年ぶりに平年を上回る収穫量になりそうなんだって。何でも開花時期は平年より8日ほど遅かったけど、開花期間中は天候がよく受粉が順調だったようだ」
「過去3年は天候不順で平年を下回る不作が続いたんだけど、関係者もホッと一安心といったところ。ただ開花が遅れた分、『佐藤錦』の出荷終了は7月までズレ込みそうで、高温が大敵だけに終盤戦の品質確保が課題になりそうだね」
最近の話題とかあるんですか?
米国産が新たな脅威に
「米国産サクランボが脅威になってきてるって知ってた?」
米国産ってみがかったザクロみたいなのでしょ。スーパーとかで見かけますけど、「品質が違うから国産とは競合しない」って聞いてました。
「薫蒸せず」で品質アップ
「これまではね。従来の米国産は現地での薫蒸処理が義務付けられてたんだけど、去年から薫蒸処理しない米国産の輸入が解禁になったんだ。その分、現地で収穫してから日本の店頭に出回るまでの時間が短縮されることになり、品質の向上につながるはずだ」
「さらに、さらに、これまでの米国産は赤肉種だったけど、条件が整えば国産と同じ白肉種だって輸入されてくる可能性もあるんだって」
エー、エー、エー、「佐藤錦」ピンチ!

足元の輸入量は低調
「まあ、まあ(苦笑)これまでのところ薫蒸なしの米国産の輸入量は低水準で今日、明日どうってわけではないんだけどね」
明るい話題もお願いします。
東根が新ブランド
「明るいかどうかは分かんないけど、収穫量で県内1位、それに佐藤錦発祥の地である東根から新ブランド『ひがしねの佐藤錦』ってのが出るんだって。従来は『山形のさくらんぼ』で出してたんだけど、その中で特に優れた品質を新ブランドとして育てようという戦略らしい」
「東根といえば去年の特集でも紹介したよね。土田正剛市長になってから公共施設のあたまにことごとく『さくらんぼ』をつけるわ、寒河江で定着してたマラソン大会や種飛ばし大会の向こうを張って同種のイベントを始めるわで他産地、特に寒河江をピリピリさせてんだけど、ま、いろんな意味で注目される人だわな(苦笑)」



山形のそばの美味しさはまず自然環境によるものとされる。新鮮な空気と水は品質のいいそばを作る必須条件。それに「ひきたて」「打ちたて」「茹でたて」の「3たて」にこだわる実直な県民性。これで美味しくないわけがない!
お店同士が協力と切磋琢磨しながらレベルを上げている点も見逃せない。


山形の酒を特徴づけているのが県のオリジナル酵母「山形酵母」とオリジナル酒造好適米「出羽燦々(さんさん)」。いずれも山形の気候・風土に適した原料として「山形の酒」のブランド確立に大きな役割を果たしている。
日本酒にとどまらず山形はワインづくりも盛ん。県内には11のワイナリーが技術を競っていて、他県にないユニークなワイもいっぱい。