徹底して山形に密着したフリーペーパー

観光カリスマ工藤事務所代表 工藤 順一 氏

2007年4月13日
工藤 順一(くどう・じゅんいち) 1945年(昭和20年)、山形県寒河江市生まれ。さがえ西村山農協の職員として78年から観光農業事業を担当、サクランボのオーナー制度や雪中イチゴ狩り、バラ風呂など四季おりおりのユニークな体験型観光を次々に企画した。 2003年2月、内閣府が選定した「観光カリスマ100選」の第1陣11人のうち関東以北でただ1人選ばれた。同年3月に農協を退職後、「積み上げたノウハウを全国の地域おこしにいかしてもらいたい」と独立した。62歳。
観光カリスマ工藤事務所代表 工藤 順一 氏

山形の素晴らしさを 全国に発信したい──

――工藤さんが独立した年に最初にお会いしたんですよね。

03年「観光カリスマ」に

 「んだね。農協で観光農業に携わって25年。この間、毎日がドラマの連続でよ。人情、汗、涙、笑い……。こうしたドラマがあれば人が集まり、人が集まればカネが動く。年間を通して人を呼べる観光農業を目指して、自分なりに頑張ったのよ」
 「だから自薦や他薦がない『観光カリスマ』に選ばれた時は、埋没しがちな地方の活動が評価されたと思って正直、嬉しかったあ」

地域おこしに全国奔走

 「山形や東北の魅力を発信していきたいと思ったのが独立のきっかけ。今は、過疎や観光客離れに悩む地域や施設向けに講演したり、集客のアドバイスをしたり。北海道から九州まで、全国さ飛び回ってるのよ」
――他県での講演も、そんな感じで山形弁丸出しでやってるんですか(笑)
 「んだ。方言はよ、独特のあったか味(み)があるじゃない。マニュアル化された味気(あじけ)ない言葉を発してもダメよ。都会にはないものが地方にはいっぱいあって、方言もそのひとつよ。まして山形は、全国に誇れるものさいっぱいあんだから」
――よく指摘されるんですけど、山形の人って意外にそのことに気がついてないですよね。

営業力不足の山形

 「だから俺が言いたいのはよ、山形の良さに気づいて欲しいのよ。これだけ季節感があって、人情味があって、食べ物がおいしい――。そのことに『気づかない』『感じない』では、これからの地域間競争に生き残っていかんね」
 「確かに山形はハコづくりやモノづくりは天下一品なのよ。でも営業力は不足してる。決定的に不足してる。PR下手ではダメなのよ」
――僕はマスコミ出身なので同感なんだけど、保守的な山形の中で工藤さんなりの葛藤(かっとう)もあったんでしょ。

人脈の大切さ痛感

 「特に農協組織の中では苦労もあったよね。山形では『出る杭は打たれる』のよ(笑)。でも陰口を言う人もいたけど、マスコミを含めて守ってくれる人も大勢いた」
 「農協の中にも理解者はいてくれた。組織にいる時も、独立後も人脈の大切さを痛感してます」
――こうして長時間、工藤さんと顔を突き合わすのも初めてで、工藤さん、誰かに似てるって言われません?
 「西田敏行かあ(笑)」