徹底して山形に密着したフリーペーパー

大沼社長 児玉 賢一 氏

2007年8月24日
児玉 賢一(こだま・けんいち) 1966年(昭和41年)、東京都八王子市生まれ。92年に東京大学大学院工学系研究科修士課程後、JR東日本入社。2001年に大沼の大沼八右衛門社長(現在は特別顧問)の長女、千賀子さんと結婚、翌02年JR東日本を退社して大沼入社。03年取締役、04年取締役本店長を経て05年から現職。40歳。
大沼社長 児玉 賢一 氏

こだわりたい 百貨店らしさ――

――大沼といえば七日町の象徴的存在ですね。

松坂屋、三越に次ぐ歴史

 「1700年(元禄13年)に初代大沼八右衛門が七日町で創業した荒物屋が前身で、307年の歴史があります。全国の百貨店の中でも創業は1611年(慶長16年)の松坂屋、1673年(延宝元年)の三越に次いで3番目に古いんですよ」
 「ただ他の地方百貨店と同様、経営環境は厳しくなっています。地方都市に共通した課題が中心街からのお客様の流出。幸い一昨年、昨年と2期連続の黒字を確保しましたが、改装や品ぞろえの充実、サービスの質向上といった努力は怠れません」 

ありがたい大沼ファン

――確かに山形市の北と南にはジャスコを核にした大型ショッピングセンター(SC)があるし、秋には嶋地区にまた大型SCがオープンします。
 「量販店や郊外店にはない百貨店らしさを打ち出していきたい。ありがたいことに、逆風下でも大沼で買い物をしたいというお客様がいらっしゃいます。ワンランク上の品ぞろえやサービスを提供することで地域の期待にこたえていきます」

地域密着で仙台に対抗  

――大沼には仙台市の商業施設も難敵ですね。
 「商圏が重なる仙台市にある程度のお客様が流れるのは仕方がない。でも片道約1時間かかる仙台市に頻繁(ひんぱん)に買い物にいくわけにもいかないでしょう。いま取り組んでいる食品売り場の改装もそうですが、結局は地域のお客様のニーズにあった商品をどれだけ提供できるかがカギを握ると思います」
 「仙台脅威論はよく指摘されますが、山形—仙台間の高速バスの便数は1日60台で、1台の定員が50人として3000人が仙台に流れる計算になりますが、これは大沼の商圏人口40万人の1%弱。これを多いと見るか少ないと見るかですが、10両編成のJR中央線の定員が1500人だから、中央線2本分の乗客に過ぎません(笑)」

日々是勉強

――さすが元JRマン(笑)。でも、奥さんと結婚したばっかりにエライことになってきましたね。
 「JRでは車両の開発が仕事でした。でも山形新幹線の車体の考案なんかにも参加してましたから、山形には何か縁があったんでしょうね」
 「社長になって3年目ですが、まだまだ毎日が勉強の連続です。周囲の人たちや地域の人たちに支えてもらいながら責務を果たしていきたい」
――後悔してません? 
 「いまのところ大丈夫です(笑)」