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<荒井幸博のシネマつれづれ> 猿ロック THE MOVIE

2010年2月26日
山形ゆかりの娯楽作品
<荒井幸博のシネマつれづれ> 猿ロック THE MOVIE

 サルこと猿丸耶太郎は天才カギ師。ある時、強盗が人質をとって立てこもる銀行の裏口の鍵を鮮やかに開け人質解放に貢献する。その腕を見込んだ謎の美女マユミがサルを誘惑、とある金庫を開けてしまったことから2人は警察とヤクザの両方から追われる羽目に——。
 
前田哲監督作品

 メガホンを執ったのは東北芸術工科大学映像学科准教授の前田哲監督。前作「豚がいた教室」は実話を映画化した感動作だった。本作品はその対極のような娯楽作と思いきや、「正義」「友情」「思いやり」といったテーマは通底している。
 そのテーマに説得力を持たせているのが主役を務める市原隼人の熱演。前田監督は市原がデビュー間もない13歳のころに出会い、特別なオーラを感じていたとか。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 猿ロック THE MOVIE

市原隼人が熱演

 人気コミックをドラマ化した昨年夏に約10年ぶりに再会し、2人で本作のイメージを作りあげていったという。小悪魔的なマユミを比嘉愛未、キャリア警察署長を小西真奈美が演じ、見事な演出力でそれぞれの意外な一面を引き出している。 

衣装担当は真室川出身

 この映画でスタイリストを務めたのが真室川町出身の荒木里江さん。小学生の時にスタイリストという職業を知り、真っ直ぐに歩んできたとか。前田作品では「スイングマン」でスタイリスト助手に就き、本作が満を持してのスタイリスト参加になる。

市原着用の衣装が展示

 上映会場のソラリスには市原が着用した衣装も展示してくれるそう。公開中の「食堂かたつむり」の原作者・小川糸さんは山形市出身。このところヤマガタ人の映画での活躍が目覚しく嬉しい限りです。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 猿ロック THE MOVIE
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマ・パーソナリティーとして数多くの地元メディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。