徹底して山形に密着したフリーペーパー

《おしえて!編集長》 山形のスーパー三国志

2009年12月25日
 年の瀬に入り、お節料理の買い出しとかで食品スーパーを利用される方も多いことでしょう。そのスーパー、最近ではヨークベニマル(福島県郡山市)、ヤマザワ(山形市)、おーばん(尾花沢市)の3社が新規出店で激しくしのぎを削っていて、編集長によれば水面下で中国の「三国志」(※1)さながら、虚々実々の駆け引きが繰り広げられているんですって。実は歴女の私、面白そう~!
《おしえて!編集長》 山形のスーパー三国志

「スーパー三国志」なんてテレビゲームみたいですね

 内陸部、三つ巴に

 「テレビゲームの『スーパー三国志』(※2)、面白くてひところハマったなあ。でも県内陸部でのスーパー3社による三つ巴の出店競争も負けず劣らず面白い」
 「県内陸部だとマックスバリュ東北(秋田市)も多店舗展開してるんだけど、ここ数年は業績がパッとしなくて新規出店を控えてる。だから業績が好調なベニマル、ヤマザワ、おーばんの争いになってる」

《おしえて!編集長》 山形のスーパー三国志

どこが魏で、どこが呉、蜀なんですか?

 3社の売上比較は?

 「3社の直近の売上高を比較するとベニマルが3380億円、ヤマザワが910億円、おーばんが130億円。まあ普通に考えればベニマルが曹操(そうそう)率いる魏なんだろうなあ。孫権(そんけん)の呉、劉備(りゅうび)の蜀をどっちにするかだけど、とりあえずおーばんを呉、ヤマザワを蜀にして考えましょ」

理由あるんですか?

 ヤマザワは蜀で

 「ベニマルと正面から激突してるのはヤマザワで、三国志の主テーマは魏と蜀のせめぎ合い。あと以前に紹介したけど、ベニマルに攻め込まれる一方だったヤマザワが2年後に福島に初出店するだろ。あれが魏に反転攻勢をかけようとする『諸葛孔明(しょかつこうめい)の北伐』(※3)のイメージなんだなあ」

具体的にはどんな争いなんですか?

 中原に鹿を追う展開に

 「どこに新しい店を出すかっていう陣取り合戦さ。もともと内陸部はヤマザワの独擅場だったんだけど、福島から資本力を活かしてベニマルが攻め込んでくるし、尾花沢や東根あたりにとどまっていたおーばんが力をつけて南下政策をとり始めた。いわば3社が『中原に鹿を追う』ようになってるわけだ」

それってお中元用にモミジ肉を買いに行くって意味ですか?

 競合する出店場所

 「タエちゃん東高だろ~、それに歴女なんだろ(呆)。『中原〜』ってのは中国の有名なことわざ。ここで『鹿』っていうのは帝位とか権力のことで、それを求めて激しく争うっていう意味さ」
 「で、話を戻すと3社は当たり前だけどプロだから魅力的な出店場所は共通することになる。自社はそこに出たいし、他社に出てもらっては困る。そういう場所にはたいてい複数の地権者がいるから多数派工作が水面下で活発に行われるわけだ。むろん妨害もある」
 「最近の例だと12月3日にヤマザワの富の中店がオープンしただろ。あそこはある時期までおーばんで決まりかけたんだけど、最終的にはヤマザワになった」

ひょっとしたらあそこ、おーばんだったかも知れないんですか?

 2転3転は当り前

 「そう。こんなの日常茶飯事で、今号の記事にあるようにおーばんが尾花沢に新しい店を出すけど、あそこは逆にヤマザワが先に動いてた。もっとさかのぼれば去年8月にベニマルが東根市小林に出店したけど、あそこも最初に話が進んだのはおーばんだった」

勝負はゲタをはくまでわからないってことですね。

 補給路の攻防戦も

 「そうだね。あと三国志の戦闘だと補給路を断つとか断たれるとかの場面が何度も出てくるけど、11月23日に閉店して30年の歴史に幕を下ろしたヤマザワ南館店は補給路を断たれたって感じだな」
 「つまり同じ国道348号沿いでベニマルの南館店と対峙してたんだけど、ベニマルが10月に348号沿いに山形深町店をオープンさせてヤマザワ南館店はベニマルの2つの店舗に挟まれる格好になった。これはツラいわな」

これからの注目場所はどこなんですか?

 「それぞれ水面下の話だから、言えないんだな、これが(苦笑)」



三国志▽中国の後漢末期から魏・呉・蜀の3国が中国を3分して抗争を繰り広げた時代(180年ごろ~280年ごろ)の興亡史。
スーパー三国志▽1985年に光栄(現社名コーエー)が発売したパソコン向け歴史シミュレーションゲーム。
諸葛孔明の北伐▽諸葛孔明は蜀の国政を担う丞相として魏を倒すため北伐を決行する。出陣に際して奉った「出師の表」は有名。