徹底して山形に密着したフリーペーパー

東北芸術工科大学 名誉教授 日原 もとこ氏

2008年3月28日
日原もとこ(ひはら・もとこ)広島市生まれ。女子美術大学卒業後、61年に通産省(現在の経済産業省)へ。工業技術院産業工芸試験所技官、製品科学研究所主任研究官を経て92年に東北芸工大教授に就任。専門は環境色彩学。2005年から現職。このほか風土・色彩文化研究所を主宰、県建築サポートセンター社長、県景観審議会委員なども務める。
東北芸術工科大学 名誉教授 日原 もとこ氏

後世に残したい  山形の風土・色彩——

山形でも「騒色」傾向

——環境色彩学の観点から山形、どうですか?

 「よそ行きの『ハレ』と日常の『ケ』という区別があるでしょ。全国的にもそうなんですが、ハレへの偏重が進んでいると思います。その色は自ずと派手系で、目立つことを狙った原色、対比色になる」 
 「もっと品格があって、魅力のある訴求の仕方があるはずなのにね。日本、ましてここ山形は古来、ケの抑制色こそが基本色だったはず。ハレ偏重の色彩は『騒音』と同様、『騒色』になります」

歯止め必要に

——東京とか他府県に比べれば山形、マシだと思ってましたけど。

 「全国展開の会社が進出するようになって顕著になりましたね。田園風景の中に突如あらわれる巨大な立て看板とか、外壁そのものが広告媒体になっている郊外店とか。山形の美観を台無しにしていると思います」

 ——ラッピングバスとかもダメですか?

 「ダメです。私も委員を務める県景観審議会で議論を進めていますが、ハレ偏重の風潮に歯止めをかけていきたい」

——広告、減ったら困るんですけど…(苦笑)。話題変えて、どうして山形に来られたんですか?

一目ぼれで永住

 「これはもう一目ぼれですね。通産官僚として東京で暮らし、ずっと探し求めていたものを山形で見つけたっていう感じ。それは自然や歴史であったり、人情であったり、食べ物であったり。以前は賃貸マンション暮らしでしたが、今は一軒家も購入し、住民票も移して永住する予定です」

——ボクも含めてそういう県外人、多いですね。

 「私の場合、山辺町の作谷沢地区との出会いが大きかった。作谷沢は古くは密教の修験場として栄えたところで、東の雷山、西の丸森山、南の白鷹山、北の神山の4つの山頂を結ぶひし形の中に神社や寺、民家がスッポリとおさまっているの」
 「神仏と人と自然が共生する空間で、独特のオーラを発している。作谷沢を初めて訪れた時、『ここが私を呼んでいる』って感じました」

「作谷沢が呼んでいる」

——なんか千歳サン(注=千歳栄・千歳建設会長)の世界ですね(苦笑)
 
「千歳会長、親炙( しんしゃ)してます」

——先生、誰かに似てるっていわれません?

 「時々言われますけど、誰ですか?」

——怒りません?

 「怒りませんよ」

——女優の白川和子って人なんですけど。

 「……。その人、知らないなあ」