<声>クマ捕殺と森林保全/葉っぱ塾主宰 八木文明
2009年2月13日
山形県内では2006年に700頭近いツキノワグマが捕殺されました。これは全国でも最多で、この5年間の捕殺数は1300頭を超えています。県内のクマ生息数は全国一の1500頭ほどとされていますが、このままの捕殺ペースが続けばクマ絶滅という取り返しのつかない事態になることも想像されます。

クマがたくさん生息していることは山形の森が全国的にも自然林率が高く、豊かな環境であることの表れとみることもできます。しかし、ここ数年、里山や人家近くにまでクマが出没するようになってきたのはなぜなのでしょうか。ここに私たちが気づかないでいる森林環境の異変などが進行しているということがありはしないでしょうか。
私たち有志は現在、クマをシンボルに自然保護活動を続ける民間団体「日本熊森協会」の山形支部結成に向けた準備を進めています。

「マタギ」に代表されるように東北には古くからの狩猟文化が根付いているほか、クマが農作物や人間にまで害を与えている実態もあり、さまざまな立場を越えて議論を深める必要があると考えています。山間部の人だけでなく市街地の人も一緒になり、クマ問題の背景にある山形の森の環境保全を考えていくのが狙いです。
足がかりに22日に天童駅前「パルテ」で「日本熊森協会」会長の森山まり子さんによる講演会を開催します。お問い合わせは0238・84・1537まで。
(長井市在住)