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<荒井幸博のシネマつれづれ> 「地球が静止する日」

2008年12月26日
 公開中の「地球が静止する日」は1951年公開のロバート・ワイズ監督「地球の静止する日」のリメイク。
<荒井幸博のシネマつれづれ> 「地球が静止する日」

秀作が主題変え復活

ワイズ監督作品のリメイク

 ある日のワシントンDCに銀色の円盤が着陸する。地上に降り立ったのは人間の姿をした異星人クラトゥ。彼は地球上で繰り返される戦闘や核戦争などの殺戮(さつりく)を放置すれば地球だけでなく宇宙全体が滅んでしまうという危機感を抱き、地球の指導者に訴えにやって来たのだが、彼を迎えたのは銃弾の洗礼だった——。

原版の背景に米ソ対立
 
 SF映画で悪役として描かれることが多かった異星人を、高い知性を持った友好的な存在として描いた点で画期的だった。
 米ソ対立による核戦争の恐怖が増幅した時代背景もリアリティを持たせ、本格SF映画の先駆的作品として光り輝くものだった。 

<荒井幸博のシネマつれづれ> 「地球が静止する日」

リメイク版は「環境」

 それから57年。「地球が静止する日」の異星人クラトゥは地球を守るためにやってきた点は前作と同じだが、「人類が滅亡すれば地球は生き残れる」という衝撃的な言葉を発する。
 環境破壊は無軌道な産業推進、そして絶えることのない戦争に依るところが大きい。その諸悪の根源は人類。環境破壊をやめないなら人類を滅亡させるしかない。クラトゥは目的を遂行するのか、そして人類は——。
 
適役のキアヌ・リーブス

 異星人クラトゥを演じたのは、「スピード」「マトリックス」などの大ヒット作に主演したキアヌ・リーブス(左写真右端)。彼の端正だがクールで無表情、そして中国、ハワイの血が混じったエキゾチックな顔立ちはまさに適役といえる。
  10月末に「エコライフやまがた」というイベントで田中邦衛さんとトークショーをさせてもらったが、このハリウッド大作でまたエコロジーを強く意識させられた。