県内の牛乳事情

6月は牛乳月間
酪農牛乳関係者でつくるJミルク(東京)が6月を牛乳月間と定めたのは2007年。それに先立つ01年、国連食糧農業機関(FAO)が6月1日を「世界牛乳の日」とすることを提唱したことが契機になりました。

県内酪農、戸数は減少
調べたところ、22年2月時点で乳牛(ホルスタイン)を飼育している県内の酪農家は200戸で、21年から3戸減っていました。
ちなみに20年は214戸、19年は237戸、18年は253戸で、一貫して減少しています。ピークだった1961年の1800戸から9割近く減っていてビックリ!
昨今、コロナ禍での消費低迷やロシアのウクライナ侵攻によるエサ代の高騰で〝酪農の危機〟が叫ばれていますが、それ以前から酪農を取り巻く環境は厳しかったようです。
背景にあるのが担い手不足。「牛の世話が大変」「イメージが悪い」「儲からない」といった理由から後継者が現れないケースが多いんだとか。

大型化が進む
ただ、暗い話ばかりではありません。離農(廃業)が後を絶たない一方で、ピンチをチャンスととらえて規模を拡大する酪農家もいるんですって。確かに酪農家の数は減少していますが、22年の飼養頭数、生乳生産量はそれぞれ1万7000頭、6万4200トンと、前年の1万1300頭、6万3200トンを上回っていました。

県外6割、県内4割
県内で搾られた生乳の6割が県外に販売されることも判明しました。特に明治乳業、森永乳業、雪印メグミルクなどの大きな工場がある宮城県や関東圏に出荷され、そこで牛乳やチーズ、バターなどの乳製品に加工されているようです。
残りの4割が県内の乳牛メーカーに販売されています。内陸の場合、奥羽乳業(河北町)、サンコー食品(山形市)、城西牛乳(同)、後藤牧場(山辺町)の乳業メーカー4社とヤマラクフーズ(南陽市)が県産生乳だけを使った牛乳を販売しています。
牛乳で健康に
牛乳の成分といえばカルシウムが思い浮かびますが、実はそれだけではなく、たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンがバランスよく含まれています。最近の研究では免疫力を高める効果や、血圧を改善する効果も報告されていて、健康維持にはもってこい。
さあ、牛乳をゴクゴク飲みましょう!