あなたの目 健康ですか?/(182)こどもの目の日
2023年5月26日
6月10日は日本眼科医会が定める「こどもの目の日」です。学校健診も始まり、視力の低下を指摘される子どもさんも多いことでしょう。
調節緊張で視力低下
スマホやタブレットなど電子デバイスを見る時間が増えているのに伴い、子ども達の近視の進行が心配されています。
その一方で、「調節緊張」という目のピント合わせ筋の緊張により、見かけの近視が生じている子どもさんも最近多いようです。
調節緊張による見かけの近視の場合、視力検査の時に雲霧法など目の緊張をとる操作をしてみると、実際には眼鏡なしで1.0見えていることも多いのです。

避けたい「過矯正」
ですので、この状態で眼鏡を合わせると、必要以上に近視を強く矯正してしまいます。以前にも取り上げた「過矯正」という状態です。
過矯正は自律神経の乱れの原因にもなりかねません。学校健診で視力低下を指摘されてすぐに眼鏡をつくるのではなく、まずは眼科を受診して実際の状態を確かめるようにしましょう。
近視の進行を防ぐ
もちろん、本当の近視で授業に支障があるようなら眼鏡、コンタクトが必要です。近視が進行して強度近視になると、大人になって緑内障や黄斑変性などの病気のリスクが上がってしまい、最悪の場合は失明という事態にも立ち至ってしまいます。近視は進行させないことが何より大切です。
近いところを見る場合
近視の進行を防ぐには「外で過ごす時間を増やすこと」と「近いところを見る時間と距離に注意すること」の2つです。
近いところを見る作業は30センチ離して30分したら遠くを見ることを目安にしましょう。


金井たかはし眼科 院長
高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。
高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。