真理子先生の女性のミカタ/骨粗しょう症(中)
2023年3月10日
骨粗しょう症になると、どんな困ったことが生じるのでしょう。
寝たきりになることも
まず重いものを持ったり、軽い衝撃を受けたり、転んだりした時に骨折しやすくなります。また背骨が変形したり、曲がったりして身長が縮まってしまいます。
さらに姿勢が悪くなることで内臓が圧迫されて、呼吸が苦しくなったり、胃腸の働きが弱まったり。腰や背中が痛むのも辛いところです。
脚の付け根の大腿骨骨折も深刻。歩きにくくなったり寝たきりのリスクも高まるからです。

原発性と続発性
骨粗しょう症は2つに大別されます。閉経や加齢などを原因とする「原発性骨粗しょう症」と、特定の病気や薬剤などによる「続発性骨粗しょう症」です。大半は原発性で、本稿もそれに沿って解説しています。
続発性は卵巣を摘出したり、無月経などで極端に女性ホルモンが減少している方、胃を切除されたり栄養不良の方、糖尿病や一部の肺の病気がある方。腎臓の働きが弱まった方や、副腎皮質ホルモン(ステロイド)が長期必要な方などが当てはまります。
健康診断のススメ
目に見えるお肌の色ツヤと異なり、見えない骨の変化は症状もなく、気づきにくいものです。
健康診断で骨粗しょう症検査があれば必ず申し込みましょう。また、医療機関で骨密度を測定し、年齢相応か骨折しやすい状態か診てもらいましょう。
最適の治療を提供
医療機関では骨粗しょう症がどのタイプなのか、骨形成マーカーや骨吸収マーカーカルシウム、ビタミンDなどから判断します。さらに家族歴や骨折歴も考慮し、その人に最適の治療を施してくれるはずです。


真理子レディースクリニック 院長
伊藤真理子
●(いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。
伊藤真理子
●(いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。