女性の美と健康/変形性関節症
指の軟骨がすり減る!
変形性関節症とは指の軟骨がすり減って骨が削られる疾患で、進行すると指が固まり、痛みや運動障害を発症します。
症状が現れることが多いのが爪に近い第1関節と、中央の第2関節です。前者は「ヘバーデン結節」、後者は「ブシャール結節」と呼ばれ、2つが同時に発症することもあります。

患者の大半は更年期女性
患者の80%は女性で、40~50代の更年期女性を中心に推計患者数は450万人に達します。多くが医療機関を受診せず、「使いすぎかしら」「歳のせい」と我慢している人が多いようです。
症状は痛みだけでなく、「車のハンドルが握れない」「お財布からお金が出せない」「指輪が抜けない」といったケースもあります。
エストロゲンが影響
なぜ更年期女性に多いかといえば、近年の研究で、更年期になると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少することに原因があることが分かってきました。
エストロゲンは関節など「滑膜」に受容体があり、エストロゲンが減れば関節の潤いや滑らかさが失われ、腫れや痛みなのが生じるわけです。
ということで、変形性関節症も更年期症状の一種といえるでしょう。
事前の対策を
治療としては、最終的には注射や手術という整形外科的な方法になります。ただ発症のピークは50歳前後なので、それ以前の40歳代から、エストロゲンの減少を補うサプリメントの服用を心がけることも有効でしょう。


セントラルクリニック院長
村山 一彦
●(むらやま・かずひこ)山形市生まれ。埼玉医科大学を卒業後、同大病院、篠田総合病院を経て2004年に産婦人科を中心とするセントラルクリニックを開院。社会福祉法人・慈風会の理事長として特別養護老人ホーム「なごみの里」、認可保育所「はらっぱ保育園」も手がける。