徹底して山形に密着したフリーペーパー

医療法人社団 小松医院(山形市長町)理事長 小松 信明 氏

2008年11月14日
小松 信明(こまつ・のぶあき)1936年(昭和11年)山形県生まれ。寒河江高校から東京慈恵会医科大学に進み、精神科医の故近藤章久氏に師事。63年に同大卒後、県立福島医科大学精神科勤務などを経て70年に山形市内で医療法人社団小松医院を設立、現在に至る。11月に太陽出版から「心の病の診察室〜あなたの愛が子どもを救う〜」を上梓。72歳。
医療法人社団 小松医院(山形市長町)理事長 小松 信明 氏

心の病の治療 じっくり時間をかけて
 
 ——刊行された本のサブタイトルが「あなたの愛が子どもを救う」。
 
重要な母親との関係

 「全国でも、ここ山形でも目に見えない心の病で苦しむ人が急激に増えています。うつ、パニック障害、拒食症や過食症、リストカット、不登校、ひきこもり…。個人が孤立しがちな現代社会の弊害という見方もできますが、心の病の多くは幼少期の生育環境、特に母親との関係が需要だという精神分析療法の考えを基本にしています」
 
原因究明で症状は改善

 「私の医院には特に母親と20歳前後の子どもが一緒にこられるケースが多く、カウンセリングを重ねていくうちに母親が自分が受けた心の傷の結果をいかに子どもに押し付けていたかを理解し、子どもに謝ることが少なくない。親子に共通の感情が流れた時、子どもの症状が急速によくなることもしばしばです」

——学生時代にいっぱしにフロイトなんか斜め読みしたんですけど、あんな感じですか。

 「あんな感じ(苦笑)。フロイトの高弟にアメリカ精神分析学会の重鎮でカレン・ホーナイという人がいて、彼女の日本における最初の弟子が私が師事した近藤章久先生でした」
 
自身の体験もいかす

 「私自身、中学時代から不安発作や雑念恐怖症に悩まされていたんだけど、大学時代の5年間、フロイトの考案した1回1時間、週3回のカウンセリングによる治療を近藤先生から受けたことで救われました。『自由連想法』と呼ばれるこの治療法が当医院の基本にもなっています」

——さっき診察室を拝見したんですけど、まるで居間ですね。

 「患者さんをリラックスさせてあげることが第一。そのうえで話を聞く。私は患者さんに寄り添って心にキズを負った時点までさかのぼり、その人が無意識のうちに見ることを拒み続けていた出来事を見に行くお手伝いをするだけです」
 「残念ながら現在の精神医療は短時間の診断と薬物の投与が中心で、患者の側に立った診療が施されることが少ない」

医療現場に一石も

——カンですけど、この本、売れそうだな。

 「この本には私と患者が触れ合い、患者が立ち直っていく過程が20以上の症例にそって詳しく描かれています。またコインロッカーに捨てられた体験を持つ女性の手記を筆頭に、患者自身の生の声も豊富に紹介しています。心の病についての理解を汲み取ってもらえれば幸いです」