真理子先生の女性のミカタ/子宮頸がん(上)
2022年11月11日
子宮頸(けい)がんの予防は、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンと検診とを合わせるとより安心になります。
ワクチン接種のススメ
HPVワクチンの「定期接種」や、定期接種の機会を逃した世代を対象にした「キャッチアップ接種」を受けられる方は、お住まいの市町村から接種の案内状が届いたら該当期間に必ず全3回の接種を受けましょう。
それ以上の年代の方には案内状は届かず、費用も自己負担になりますが、万全を期すためにも接種をお勧めします。

感染しやすい部分
子宮の出口は子宮頸部を覆う粘膜で守られています。女性ホルモンの多い年代は、この粘膜で覆われない「子宮膣部びらん」という部分があります。実はこの部分が性交渉などで様々な病原体に感染しやすいのです。
もし感染した病原体がHPVなら、持続感染で子宮頸がんに進展する可能性が高まります。
検診もお忘れなく
ワクチン接種は「1次予防」、検診は「2次予防」です。何度もお伝えしているように、現在のワクチンの効果は100%ではありません。
このためセクシャルデビュー後は、定期的な子宮頸がん検診が欠かせません。子宮頸がんはHPVに感染した後、ゆっくりと進行しますので、検査は最低でも2年に1度、できれば毎年受けましょう。
そもそも子宮頸がんは性交渉でのHPV感染が原因ですので、性交渉の経験のない方には検診は原則必要ありません。
早期発見・早期治療を
定期的な検診を欠かさなければ、前がん状態のさらに手前で変化を見つけることが可能です。
早期発見、早期治療につなげられれば子宮頸がんは「最も予防しやすいがん」になります。


真理子レディースクリニック 院長
伊藤真理子
●(いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。
伊藤真理子
●(いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。