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《おしえて!編集長》今年のお米事情

2022年10月14日
 いよいよ新米のシーズンですね。今年の作柄、価格はどうなのかしら?編集長に聞いてみました。
《おしえて!編集長》今年のお米事情

作柄はどうなんですか?

 8月時点で「やや良」

 「農林水産省が8月31日に発表した2022年産水稲の8月15日時点の作柄概況だと、山形県は平年比102~105%の『やや良』。他の東北5県を見渡せば、宮城が『やや良』、福島と岩手が『平年並み』、青森と秋田が『やや不良』ということになってる」
 「ただ東北農政局によれば、この調査は実際に現地を視察してはじき出したものじゃなく、気象データと人工衛星データを基にした結果なんだって。9月からは実測データを取り入れて精度を高めるらしい」

《おしえて!編集長》今年のお米事情

 記録的豪雨の影響は?

9月の概況は出てないんですか?

 「出てないんだ。当初は9月25日時点の概況が10月7日に発表される予定だったんだけど、延期されて、いつ発表になるかも明らかにされていない」

県内は8月上旬に記録的な豪雨に見舞われてます。

 「そうだったよね。8月15日時点の概況には豪雨の影響はカウントされてないらしい。8月は集中豪雨以外にも雨が多く、日照不足だったことも指摘されてる。それやこれやで9月の概況は下方修正される可能性はあるね」

《おしえて!編集長》今年のお米事情

価格はどうなりますか?

 民間在庫は高水準 

 「価格を見通す前に、米を取り巻く環境をみてみよう。コロナ禍で落ち込んでた外食向けは回復の兆しが出てる一方で、家庭向けは伸び悩みが続いてる。この結果、6月末の民間在庫量は217万トンと、適正とされる200万トンを上回っているんだ」
 「供給量が多いと価格は下がるのが経済の基本だけど、今年に限ってはそうはならないみたい」

どうしてなんですか?

 生産コストは大幅アップ 

 「米農家にとっては去年までの値下がりで手取りが減っているのに加え、ウクライナ情勢や円安の影響で生産コストは大幅に上昇している。何らかの救済措置をとらないと『米づくり、や~めた』なんてことにもなりかねないよね」

 概算金は値上がり 

 「そんなわけで、全国のJA県本部は管内の各JAに前払いする概算金(60キロ当たり)を引き上げてる。山形の場合、つや姫は昨年比500円高の16300円、雪若丸は1000円高の11600円、はえぬきは1000円高の11000円だ」

ふ~ん

 「概算金の引き上げに伴って、生産者から卸会社、卸会社から小売り業者の価格も上昇するだろう。問題はスーパーなど量販店や街の米穀店といった小売業者だ。仕入れ価格が上がっても、伸び悩む売れ行きを間近でみているだけに、価格をどうするかは難しい選択を迫られそうだ」

とりあえず、美味しい新米をいただきましょう。