ASフーズ(山梨県中央市)新会社セゾンファクトリーを設立/シベール方式を踏襲か
2022年9月23日
2019年1月に民事再生法適用を申請した旧シベールのスポンサーとなり、同社から全事業の譲渡を受けたASフーズ(山梨県中央市)が、ジャム・ドレッシング製造販売のセゾンファクトリー(高畠町)と同名の新会社を設立したことが分かった。コロナ禍の影響もあってセゾンは業績が悪化しており、周辺では「シベールと同様、ASがスポンサーとなって第二会社方式で再生を目指すのではないか」との見方が広がっている。

法人登記簿によれば、ASが設立した新会社名はセゾンファクトリーで、会社成立は2022年6月17日。本社はASの所在地と同じ、代表取締役もAS社長の小田切一哉氏が務める。事業目的として高畠町セゾンと同様「各種瓶缶詰食品の製造加工販売」と記載されている。
高畠町セゾンは高級ジャムやドレッシングを大都市圏の百貨店などで販売しており、全国的な知名度も高い。ただ直近はコロナ禍や消費者の節約志向の高まりで売上高が伸び悩む一方、販売経費の負担が収益を圧迫していた模様。
民間信用調査機関によれば、20年2月期は28億8000万円の売上高に対し2億2300万円の最終赤字、21年2月期も21億3000万円の売上高に対し7億9000万円の最終赤字を計上している。
ASはゼリーや漬物、農産物珍味などの製造販売を手がけており、21年6月期の売上高は18億3000万円。第二会社方式を活用して19年6月に新シベールを設立、経営再建に取り組み中。旧シベールは20年10月に消滅した経緯がある。
AS、高畠町セゾンと同社の主力銀行である荘内銀行はやまコミの取材に応じていない。