真理子先生の女性のミカタ/コロナ感染とエストロゲン製剤
2022年9月9日
コロナ第7波が猛威をふるっています。コロナに感染すると、血液中に血の塊ができて血栓症が生じることがあります。
血栓症リスク
一方、婦人科治療ではピルなどエストロゲン製剤が使われますが、副作用として血栓症リスクがやや高まるとされます。
つまり、エストロゲン製剤を利用されている方がコロナに感染すれば、血栓症リスクがさらに高まることになります。

低用量ピルは要注意
エストロゲン製剤の中でも経皮的な薬(皮膚から吸収されるジェルやパッチ)は比較的安心とされています。
心配な内服薬とは、月経痛治療の低用量ピルや経口避妊薬などの低・中用量ピル、生理不順治療のエストロゲン内服薬、更年期障害に効果的な女性ホルモン補充療法の内服薬などが該当します。
学会も注意喚起
このため産婦人科関連学会は昨年から注意喚起を呼びかけています。
具体的には「重症または呼吸器障害がある場合は経口エストロゲン製剤の使用を中止して医師に伝え+アルファの治療が必要」「無症状または軽症の場合、エストロゲン製剤以外の方法を検討する」「無症状または軽症で、ホルモン補充療法を利用している場合は経皮製剤を用いる」――などです。
婦人科に相談を
悩ましい方やコロナに感染された方は、薬を処方していただいている病院に相談してみることをお勧めします。
もしも感染して寝込んでしまったときに備え、自分がコロナに感染したら病院に連絡した方が良いこと、薬の中断が必要かもしれないことなどをあらかじめ御家族の方にも伝えておきましょう。
安心のために、どうか御自身のお薬を一度確認なさってみてください。


真理子レディースクリニック 院長
伊藤真理子
●(いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。
伊藤真理子
●(いとう・まりこ) 1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。