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内科あれこれ/がん検診

2022年8月26日
 今回はがん検診について考えてみましょう。

対策型と任意型

 がん検診には市町村が主体となって行う「対策型検診」と、人間ドックなど個々人が希望して受ける「任意型検診」があります。
 対策型検診の場合、費用負担の問題や、行政が対象の住民にお勧めする形をとる関係上、確実に効果があるもの、確実に死亡率を下げられる検査しか行えません。

内科あれこれ/がん検診

すい臓がんのケース

 ここで、5年後の生存率が全がん中で最も低いすい臓がんのケースを考えてみます。
 すい臓がんの早期発見には腹部超音波(エコー)が有効とされますが、定期的に腹部エコーを受けていてすい臓がんが見つかった場合と、症状を感じて腹部エコーで見つかった場合とで、実は生存率に変わりがないことが分かっています。
 ですので、対策型検診で腹部エコーは行えないということになります。

証明にはどうすれば

 対策型、任意型を問わず、どうすれば検診で死亡率が下がったと証明できるでしょうか。
 最も確実なのは、年齢や性別をそろえた2つの集団をつくり、一方は検診を受けず症状などあれば受診することとし、もう一方は定期的に検診を受けるようにして比較することです。
 検診を受けている側で確実にそのがんで亡くなる方が減っていることが分かれば、その検査は検診として有効であると証明できます。

有効性を確認する作業

 こうした考え方から、現在はがん検診を年ごとに評価しています。対象の何割が検診を受診しているか、がんがどのくらい見つかったか、そして治療によりがんが治っているかを毎年度集計し、その有効性を確認する作業が行われています。


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きくち内科
きくち内科医院 院長
菊地 義文
(きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。