マルタニ(山形市)社長 長谷川 吉之介さん

長谷川家の7代目当主
否応なく自覚させられますね
――栄華を極めた、あの紅花商人の末裔!
紅花商人の末裔
「紅花商人は江戸時代末期、山形に集められた紅花を最上川から日本海を経て上方に運ぶことで財を成しました。最大の紅花商人として知られるのが長谷川家で、本家は十日町の長谷川家になります」
「私ども長谷川家は分家に当たります。
長谷川家の始祖の吉郎治には息子が3人いて、長男が本家を継ぎ、次男が
長谷川家を、私どもの初代に当たる3男の吉内が
長谷川家を興したと」
――で長谷川になるわけですね。
「兄弟で協力しながら親の事業を発展させていったと聞いてます。長谷川家の3代目は家業を拡大し、後に山形銀行の前身と合併した山形商業銀行の頭取に。4代目も山形商銀頭取、5代目もマルタニを創業したほか、現在のきらやか銀行の前身の殖産銀行の頭取を務めました」
――ボクは昔、父君で6代目の憲治さんには随分とお世話になって…。
「父は殖産銀頭取やきらやか銀頭取を務めた後、現在は、自殺防止に向け悩める人からの電話相談に応じる社会福祉法人『山形いのちの電話』の理事長をしています」
――確か、山形銀の長谷川吉茂頭取は長谷川家だよね。
経済発展の一翼担う
「長谷川家のルーツも
長谷川家で、私ども
長谷川家とは深い関りがあったと聞いています。いずれにせよ、紅花商人の流れを汲む長谷川家が山形の経済発展に関わってきたと感じています」
――で、あなたが長谷川家の7代目になると。
「否応なく自覚させられますね(苦笑)。最近入会したロータリークラブでも、『会員卓話』で普通なら自社の業務についてお話しするところ、私の場合は長谷川家の歴史をリクエストされて」
「紅の蔵」の大家さん
――ところで長谷川家は代々、今の「山形まるごと館」のところにあったんでしょ?
「そうです」
――つまり「紅の蔵」の大家さん!
「山形市にお貸ししているので、そういうことになりますね」
――それ、市民の大半が知らないと思うな(苦笑)
「ですかね(笑)」
新分野にも挑戦
――いちおう、最後にマルタニのことも聞いておかないと(苦笑)
「社長を拝命して3年目。鋳造設備をメインに扱う地道な商いの会社ですが、新しいことにもどんどん挑戦していきたい。現在は厨房機器やキッチンカーなど新分野の取り扱いを拡大中です」
――頑張って下さい。