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相続の基礎知識/(21)デジタル遺産

2022年8月12日
 相続財産といえば、かつては不動産や預金というのが通り相場でしたが、昨今では被相続人がネット口座や暗号資産などを使っていたケースも少なくなく、当然、これら「デジタル遺産」も相続財産となります。

存在が分からない!

 デジタル遺産はネットで管理する預金や株式、保険などで、外国為替証拠金(FX)、電子マネーも含まれます。
 問題なのは、それらがペーパーレス化しているため相続人が存在を知らなかったり、知っていてもIDやパスワードが分からずアクセスできなかったりするところです。 さらに厄介なことに、パスワードが分からず換金できないような場合でも相続税の課税対象になるというのです。

相続の基礎知識/(21)デジタル遺産

暴落している場合も

 換金できたとして、相続税の評価額は亡くなった日の価格で計算するため、特に価格が日々刻々と変動する暗号資産などは注意が必要です。
 相続税を納める時には時価が暴落してしまい、処分するタイミング次第で思わぬ損失が出てしまうケースもあります。

無申告や申告漏れにも

 そもそも相続人がデジタル遺産の存在を把握していない場合、相続税については無申告になってしまったり、申告漏れになってしまうケースも考えられます。
 また、ネット銀行などに借金が残っている場合もあり得ます。存在を知っていれば相続放棄という選択肢がありますが、知らないまま猶予期間の3カ月が過ぎてしまえば借金の返済義務を負うことになります。

対策はアナログ的

 このようにデジタル遺産には様々な問題点が指摘されています。対策として、生前に被相続人からパスワードを聞いておくのが最良でしょうが、最近では遺族にパスワードを知らせてくれるサービスも登場しているようです。


相続の基礎知識/(21)デジタル遺産
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鈴木僚税理士事務所
税理士 鈴木 僚

(すずき・りょう)1988年(昭和63年)山形市生まれ。2018年に税理士資格取得。趣味はドライブ。