内科あれこれ/スギ花粉症の舌下療法
2022年7月22日
スギ花粉の飛散はピークを過ぎましたが、今回は〝喉元過ぎれば熱さを忘れる〟という格言にならい、この時期から始める花粉症の「舌下免疫治療法」のお話です。
体のフィードバック機能
花粉症は一種のアレルギー症状で、異物の侵入に対する過剰な免疫反応により起こります。免疫反応自体は体を守るために必要な反応ですが、度が過ぎると体の害になることがあります。
ただ、体には過剰な反応を防ぐためのフィードバック機能が必ず存在しており、それはスギ花粉についても同じです。

目には目、歯には歯を
つまり、アレルギーのもとになる物質を体に投与し、それに対する抵抗力をつければ過剰な反応は防げるわけで、舌下免疫治療法はこのフィードバック機能をいかそうという治療法なのです。
具体的にはスギ花粉の抽出物を錠剤にして舌下に置き、刺激を続けることでアレルギー症状を抑えようというものです。
メリットとデメリット
この治療法のメリットは、スギ花粉に対する過剰な反応(アレルギー)を同じ免疫の働きで抑えることから、根本的な治療になるところです。
一般的な抗アレルギー薬の投与とは異なり、その時だけでなく効果は長年続くことです。
デメリットは、その働きが十分に高まるのには3年ぐらいかかる点ですが、今のうちに始めれば来年の花粉症の季節にはある程度の効果が期待できると考えられます。
お悩みの方は検討を
実際、コロナ前から治療していた方から「昨年、今年と症状が軽くなった」とのご報告もいただいています。
毎年花粉症でつらい思いをされている方は一度ご検討してください。


きくち内科医院 院長
菊地 義文
●(きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。
菊地 義文
●(きくち・よしふみ)1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。