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医学のうんちく/サル痘

2022年7月22日
 新型コロナウイルスの国内感染者が「第7波」の急拡大で累計1千万人を超える中、海外では動物由来の感染症「サル痘」の患者や疑いが相次いでいます。

感染経路・症状は?

 サル痘は1970年にコンゴで人間への感染が初めて確認された感染症です。感染した動物に噛まれたり、血液、体液、発疹に触れたりすることで感染するとされます。
 潜伏期間は通常7~14日で、潜伏期間後に発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛が1~5日間続きます。その後に発疹が顔面から始まり、全身に広がります。徐々に膨らみ水疱となり、膿が出てからかさぶたとなり発症から2~4週間で治癒します。

医学のうんちく/サル痘

日本では報告されず

 中央アフリカから西アフリカにかけて発症することが多いのですが、5月にナイジェリアから英国に帰国した感染者を発端に欧州や米国で患者が相次ぎ、韓国やシンガポール、台湾でも感染者が確認されています。日本での感染例はまだ報告されていません。
 アフリカにおけるサル痘患者の致死率は1~10%とされますが、先進国ではこれまでに死亡者は報告されていません。

同性愛男性に多く

 英国での感染者数は6月23日時点で910人。性別が判明している861人のうち男性が856人、女性は5人。20歳代~40歳代の比較的若い世代に多くみられています。
 また全体の96%が同性愛男性で、ゲイやバイセクシュアルなど男性と性行為をする男性(男性同性間性的接触者)に多く発症しています。

警戒は怠れず

 感染例がないとはいうものの、政府は6月1日から外国からの入国者上限を従来の1万人から2万人に緩和、10日には約2年ぶりに外国人観光客の受け入れも解禁しているだけに、サル痘への警戒も怠れません。


医学のうんちく/サル痘
20220610
山形徳洲会病院院長
笹川 五十次
(ささがわ・いそじ)1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。