あなたの目 健康ですか?/(171)過矯正に注意
2022年7月8日
近視を眼鏡やコンタクトで矯正する際、適正な度数以上で矯正することを「過矯正」といいます。
自律神経にも影響
スマートフォンが普及し、テレワークやタブレットやパソコンを使った授業が一般化した現在は近くを見る機会が増えています。このことは、近くを見るために調節という目の働きを多く使うようになったことにもつながります。
過矯正の状態は目の焦点を必要以上に遠くにしているので調節をより多く必要とします。つまりスマホなど近くを見るのには不都合で、疲れやすい状態にしています。調節は自律神経で制御されているので、過矯正の状態は自律神経にも悪影響を及ぼします。
調節緊張にも
さらに近くを見ることが増えたため、休憩を入れながら目を使っていないと調節が過剰に働いてしまい、見た目は近視が強まっただけの「調節緊張」という状態の人が増えています。
検査機械で調べただけでは調節緊張はわかりにくいのでそのまま眼鏡を作ると過矯正になってしまいます。

雲霧法で検眼すると
調節緊張になっている場合、「雲霧法」で検眼すると度なしでも実は1.0と見える状態にあることがままあります。雲霧法とはぼやけて見えるレンズをしばらくのぞいた後に検眼するやり方です。
この場合は調節緊張をとる治療がまず必要となります。
眼科医に相談を
生活様式が変わり調節緊張による見かけの近視、見かけの近視進行も増えています。過矯正になるとますます症状が進行しますので初めての眼鏡、コンタクトは眼科専門医に相談しましょう。


金井たかはし眼科 院長
高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。
高橋 義徳
●(たかはし よしのり)1990年(平成2年)山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。