<荒井幸博のシネマつれづれ> 二日間の東京 〜 名作めぐりに没頭
NHK全国ニュースに!
東京は春の陽気。前日14日の山形は大雪で、尾花沢や大石田は地吹雪体験。その流れのまま真冬の装いで東京を歩いていたから目を引いたのだろう。渋谷でNHKの取材クルーにテレビカメラを向けられ、インタビューを受ける羽目になった。
取材内容は「出会い系サイト」についてだったと思うが、ドギマギしてしまい、とりとめのないことを話してしまった。日ごろインタビューする側にいながら、される側に回ったらダラしない自分が情けない。
その模様が当日15日の夕方と9時の全国ニュースで放送された。もっとも当人は映画館にいたので観ていない。友人たちからの電話やメールで知った次第だった。彼らは一様に全国ネットのテレビに出たことに喜んだり、驚いたりだったが、誰も内容には触れない。そのことが余計に私を落ち込ませた。
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渋谷の映画館で観たのは「台風クラブ」(1985年・相米慎二監督)、「暴力教室」(1976年・松田優作主演)の二本立て。
「台風クラブ」相米監督の演出力に脱帽
「台風クラブ」は多感で不安定、それでいてエネルギーが有り余っている14歳の少年・少女たちの瑞々しい躍動感に圧倒された。改めて相米監督の演出のチカラに恐れ入る。
松田優作主演「暴力教室」
「暴力教室」は当時、気鋭の若手俳優として注目されていた松田優作に、荒削りな新人・舘ひろしが当たって砕けろと挑んでいる様が心地よい。役柄は、教師と高校生だが、ともに25歳の作品だった。
池袋で見た山中監督2作品
翌16日は池袋の新文芸坐で「人情紙風船」(1937年)、「丹下左膳余話 百万両の壺」(1935年)の山中貞雄監督作2本立てを観る。
「人情紙風船」の完成度の高さ、内容の濃さに衝撃を受ける。山中監督は29歳で戦死するが、亡くなる間際の29歳の時の遺作とは。「丹下左膳―」では大河内伝次郎、沢村国太郎のコメディセンスにビックリ。とりも直さず若き山中監督の演出力の成せるワザか。
「レンズの向こう側」にも邂逅
そして世界的に有名な女性写真家アニー・リーボヴィッツ のドキュメンタリー『アニー・リーボヴィッツ/ レンズの向こうの人生』を観て締めくくる。ジョン・レノン、ローリング・ストーンズ、ドナルド・トランプといった世界のセレブの心を開かせ、時には裸にした秘密の一端を垣間見せられた。
「あの空をおぼえてる」鶴岡出身の冨樫監督作品
そもそもの今回の東京行きの目的は、鶴岡市(旧藤島町)出身の冨樫森監督の新作「あの空をおぼえてる」の試写会を観ることだった。
15日午後1時から虎ノ門のソニーピクチャーズ試写室で本作と出会い、感動。その余韻を引きずったまま、冨樫監督が24歳で初めて助監督をつとめた「台風クラブ」を観に行ったのだった。
