徹底して山形に密着したフリーペーパー

謝罪マスター・竹中功のちょっといい話/受刑者さんと笑い交えて

2019年3月8日
 お待たせしました、今回はボクが月1回のペースで山形刑務所でやってる教育活動のお話です。

 一般の方はご存知ないと思いますが、山形刑務所にいらっしゃるのは「禁固刑」受刑者と26歳以上の初犯者で、全員が男性。禁固刑とは故意に犯行を犯したわけではなく、故意に犯行を犯した「懲役刑」とは扱いが違うんですね。ちなみに死刑囚は刑務所ではなく拘置所に収容されるので、山形刑務所にはゼロ。山形県には米沢市と鶴岡市に拘置支所があります。

謝罪マスター・竹中功のちょっといい話/受刑者さんと笑い交えて

 受刑者さんの前で芸を披露する〝慰問〟とちゃいまっせ。肩書きは「釈放前指導導入教育担当者」!つまり晴れて満期釈放を迎える受刑者さんの前で、一般社会に戻って困らないだけのあれこれをご指導するのが仕事というわけです。
 映画「網走番外地」やないですが、長い〝ムショ暮らし〟から〝シャバ〟に戻るのは大変なもの。それこそ電車の自動改札機の通り方に始まり、世の中の移り変わり、「平成は間もなく終わるんですよ」といったことまで、受刑者さんらが服役中に失った時空を埋めてあげるのがひとつの使命です。
 面白いのは相場感覚のズレ。「100万円もらったら何に使いますか?」と聞くと、ある受刑者さんが「50インチの大型テレビを買いたい」と答えます。
 「はあ?50インチのテレビなんて今時5万円で買えまっせ」と言うと絶句する受刑者さん。「100万円って、何年前やねん。相当長いお勤めですね」と突っ込みを入れると一堂大爆笑。

 吉本出身だけに、笑いを取ることは常に心がけていないと。初日は開口一番、「皆さんは何でここにいるんですか~、コミュニケーションを取るのが下手やったからここにいるんですよ~」と呼びかけます。
 あとは難しい話はなし。人とのコミュニケーションに必要な「挨拶」「感謝の言葉」の大切さなどをギャグを交えながらお話ししています。


謝罪マスター・竹中功のちょっといい話/受刑者さんと笑い交えて
竹中 功(たけなか・いさお)

1959年大阪市生まれ。お笑いの吉本興業で長く広報を担当、所属芸人の不祥事の事後処理を一手に引き受け、2015年に吉本退社後は「謝罪マスター」として講演、執筆、ラジオパーソナリティーと多方面で活躍中。月に1回、山形刑務所で受刑者向けの教育活動も。