徹底して山形に密着したフリーペーパー

社会福祉法人 株式会社つるかめ(天童市) 代表 伊藤 順哉さん

2019年2月8日
伊藤 順哉(いとう・じゅんや) 1975年(昭和50年)尾花沢市生まれ。3歳の時に両親と天童市に転居、東海大山形高から仙台市の経理と介護の専門学校に進み、卒業後に地元の社会福祉施設に就職。2004年に29歳で起業、天童市小関にデイサービスセンターと居宅介護支援事業所を開設。以後「自立支援」を企業理念に業容を拡大、現在までにショートステイ、グループホーム、小規模多機能、特別養護老人ホーム、介護予防センターを加えた9施設を天童市で展開している。43歳。
社会福祉法人 株式会社つるかめ(天童市) 代表 伊藤 順哉さん

介護保険に頼らない高齢者を
  企業理念の「自立支援」で脚光

――某介護関係者から「若いけど天童に凄いヤツがいる」と聞いて。
 「エー!?ぜんぜん凄くないですよ(苦笑)」

家業を継がず起業

――もともとは?
 「祖父が尾花沢でガソリンスタンドやガス販売の会社を始め、父が2代目です。ボクは3代目になる気は全くなく、経理の専門学校にいた時に介護施設でアルバイトしたことがあったんですね」
 「そこでは職員が施設を利用する高齢者を叱りつけたり怒鳴ったり…。ボクは両親が商売をしていたのでおじいちゃん・おばあちゃんっ子だったから衝撃を受けて。それがこの世界に入るきっかけになりましたね」
――介護の現場を改善しようと。
 「介護の専門学校に入り直し、地元の介護施設にお世話になって、それなりの経験を積んで起業を目指しましたが、当時は介護がビジネスになるという認識が広まっておらず、ほとんどの金融機関からはまともに相手にされませんでした」
――でも、その後の展開は目を見張る。

現状介護制度に危機感

 「当初からボクが感じていたのは、現状のままでは介護保険制度は破綻してしまうと。分かりやすく言えば、現状は介護度の高い人は業界にとっては〝客単価〟が高く、介護度の低い人は客単価が低いわけですよ」
――事業者は単価の高い方に走っちゃうよね。
 「みんながみんなじゃありませんが、受け入れて介護度が低くなれば客単価が下がるので、その努力をしないきらいはありますね。そうやって事業者が利益だけを追求していけば、少子高齢化が進む中でいずれ介護保険制度は行き詰まります」
――そうだよねえ。

高齢者の社会復帰目指し

 「だから大切なのは、介護保険に頼らない高齢者を増やすこと。これは『自立支援』と呼ばれる考え方ですが、3年前に開設した介護予防センター『歩くつるかめ』はその集大成。カフェがあったり、筋力を向上させるための最新リハビリマシーンがあったり」
 「国も自立支援に舵を切りましたが、ボクらの取り組みはそれを先取りしたもの。だから全国ニュースで取り上げられたり、33都道府県から見学に来られたり。昨年末には厚生労働省の大口善徳副大臣も視察に」

介護は天職

――今後の展開は?
 「なり手不足の問題もあり、利用者と同時にスタッフの夢をかなえる職場づくりを追求したい。週休3日制や子育て支援の仕組みを導入し、昨年は子育て応援で「優秀企業」に認定されました」
――やっぱり凄いヤツなんだねえ。