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《セピア色の風景帖》 第125回 貸本屋

2019年1月25日
 かつてはどこの町にも貸本屋があった。
 「貸本屋など使わなくても図書館があるじゃないか」と言われそうだが、当時の図書館はお堅い本しかなく、今とは違って漫画本はタブー。新本を買わずにマンガを読むには貸本屋は有力な選択肢だった。
《セピア色の風景帖》 第125回 貸本屋

 山形市内にも錦町の「にしき文庫」や八日町の「二日町書房」など数件の貸本屋があり、1冊につき数10円程度で蔵書を貸し出していた。
 貸本屋の良さは一般の本屋では読めない古い漫画が蔵書されていることで、水木しげるの「墓場鬼太郎」や白土三平の「カムイ伝」などが復刻版ではない当時の姿で借りられるのであった。
 多くの人が読むために補修を重ねてはいたが、いま思えば現存すればかなりの値打ちになったのではないかと思う。

《セピア色の風景帖》 第125回 貸本屋

 やがて市民の要望にこたえて図書館が敷居を下げ、漫画を解禁するようになると貸本屋はその存在意義を失い、次第に姿を消していった。今ではレンタルコミックショップが同様の機能を果たしている。 (F)