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医学のうんちく/男性ホルモンと行動

2018年11月9日
 男性ホルモン「テストステロン」は性欲を司(つかさど)りますが、普段の行動にも様々な影響を及ぼすことが知られています。

高級ブランドを選ぶ

 米ペンシルベニア大の研究チームは2018年、243人の男性を2群に分け、片方の群の肌にテストステロンを塗って調べた行動結果を発表、論文が英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載されました。
 それによれば、品質は同等ながら高級ブランドとカジュアルブランドを選択させたところ、テストステロンを塗られた群は高級ブランドを選ぶ傾向があったそうです。

医学のうんちく/男性ホルモンと行動

車で存在を誇示

 カナダのコンコルディア大の研究チームは09年、男子大学生39名を対象に旧型のファミリーカーと最新型のスポーツカーで繁華街と市外の高速道路を各30分走行させ、テストステロンの変化を調べました。
 それによれば、ファミリーカーでの走行後には変化を認めませんでしたが、スポーツカーでの走行後には明らかな変化が認められました。
 また繁華街を走行するとテストステロン値は上昇し、交通量の少ない高速道路では下降したと報告しています。

認知反射能力は低下

 ペンシルベニア大チームが17年に前述の2群に対し、直感的な誤った判断を熟考により訂正する能力を測る認知反射検査(引っ掛け問題)と、単純な計算問題を与えたところ、テストステロンを塗られた群は計算問題の正答率は低下を認めませんでしたが、認知反射検査の正答率は低下しました。

動物のオスと同じ

 これらのことから、男性はテストステロンの働きで高級ブランドを選んだり周囲の目を気にする行動に出るようで、優位性を誇示して地位を守ろうとするところは人間以外のオスと同様。ただ直感に頼った判断を下す傾向があるようです。


医学のうんちく/男性ホルモンと行動
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)
プロフィール
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。